Project/Area Number |
23K01027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
平井 京之介 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (80290922)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 水俣病 / アーカイブ / 負の遺産 / 博物館 / 社会運動 / 行為主体性 / 民族誌 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、熊本県水俣市にある社会運動団体のアーカイブズを調査研究することにより、アーカイブ実践と社会運動とのあいだにいかなる相互作用があるか、運動団体のアーカイブ実践が主流派アーカイブ実践に対していかなる急進的なモデルを提供するかを明らかにすることである。具体的には、現地調査を実施し、以下の問いに答える。①運動アーカイブズはどのように形成され、その資料はいかなる性質をもつか。②社会の関心や価値観が変化するなかで、運動アーカイブズの資料は利用者からどんな新しい意味を付与され活用されるようになったか。③アーカイブ実践が変化することにより、運動団体の運動実践にどのような影響がもたらされたか。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、8月から9月にかけて、および2月の2回に分けて、計2か月間の現地調査を実施し、そのデータを分析することにより研究を推進した。現地調査においては水俣病センター相思社を中心に、水俣病を語り継ぐ会や国立水俣病情報センター等で聞き取りをおこない、水俣病運動アーカイブズ資料の収集年代やその特徴、分量、分類、保存状態など、アーカイブズの全体像を把握する調査をおこなった。そして、本研究の中心的な研究対象である相思社資料室の所蔵資料について、まだ予備的考察段階ではあるが、アーカイブズ記述の作成に関する国際的な基準であるISAD(G)と照合しながら、編成記述を試みた。また、今年度から本格的に始動した、1960年以降に撮影された20万点に及ぶ水俣病関連写真のアーカイブズの編成を目指す「水俣・写真家の眼」プロジェクトについて、活動の進捗状況と今後の活動計画について情報収集した。 11月には、福岡アジア美術館において企画展として開催されていた「福岡水俣展」を見学し、水俣病や水俣病被害者支援運動の表象について関連資料をどのように使用しているかについて調査研究をおこなった。 さらに、研究成果の一部として、これまでの調査データの蓄積を新たに今年度収集したデータで補完することにより、「考証館活動の成功の社会的条件――1990年代の水俣病運動界と相思社」『国立民族学博物館研究報告』48巻2号として3月に発表した。同じく本研究プロジェクトの成果の一部として、国立民族学博物館において、企画展「水俣病を伝える」(2024年3月14日~6月18日)を開催し、一般社会に向けて展示を通した成果発信をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定していた期間の現地調査を実施し、相思社資料室におけるアーカイブ資料の収集年代やその特徴、分量、分類、保存状態など、アーカイブズの全体像を把握することができた。また、今年度に発表を計画していた研究論文と企画展を無事完成させることができた。これらのことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでおおむね順調に研究計画が進展しているため、当初の計画通り研究を進める予定である。令和6年度は、水俣病センター相思社で約3か月間の現地調査を実施し、アーカイブ資料がどのように作成され収集されてきたか、資料の内容にどのような特徴があるかを明らかにする。また、国立民族学博物館の共同研究会等において発表をおこない、研究成果を確認する予定である。
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