Project/Area Number |
23K01101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 貴子 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (40359782)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | インボイス / 仕入税額控除 / 消費税 / 小規模事業者 / 付加価値税 / リバースチャージ / EU付加価値税 |
Outline of Research at the Start |
全体的には、経済実態に合わせた消費税課税の在り方を問い、同時に手続的にどう整合させるか比較法的に研究し日本の課題解消へつなげたい。まず、経済実態に合わせた消費税課税の在り方という点では、例えば法人グループの場合間接的には仕入税額控除をグループ全体を加味した制度の可能性を検討すべきであろうし、EUや英国制度を参考に検討を進める。次に、前段階課税確保がインボイス制度の下でどのように維持強化できるか、将来起こり得るその執行上の問題への対処方法を問うていきたい。例えばインボイスの濫用を通じた脱税等への対処のため有効な手立ても、経験の多いEUのVAT等を巡るECJ判例や法改正の経緯を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては本研究の初年度でもあり、消費税課税を巡る現状を探るため、基本文献収集と共に、最新の判例、及び、改正状況の考察を進め、成果として以下の三点を挙げる。 第一に、令和6年税制改正で消費税法においてプラットフォーム課税の導入が予定されているところ、すでにマーケットプレイス・プロバイダー法あるいはマーケットプレイス・ファシリテイタ―法という名でプラットフォーム課税を実施しているアメリカの州売上税のもとでの動向を検討し、研究報告を行った。講演録は脱稿済みである。州売上税は小売段階で消費課税を行うものではあるが、消費税の下でも消費者への最終段階に着目すれば比較検討対象となり得るのであって、プラットフォームの徴収納付義務の在り方について一定の知見を得た。また、小売売上税は、付加価値税よりも税として劣るという見方があるが、ブロックチェーンなどとの相性については検討の余地があり、そういった点も今後探ることとしたい。 第二に、仕入税額控除の計算方法について争われたムゲンエステート事件に係る最高裁判決(令和5年3月6日)を検討することで、仕入税額控除の規制強化傾向を確認し判例評釈としてまとめた。更なるリサーチの必要性に気付きがあり、次年度以降の本研究の端緒の一つを見出し得た。 第三に、昨年10月より導入されたインボイス制度に関連して、小論文を一本まとめることで、現行法とその課題特に小規模事業者の負担についてどう支援すべきなのか、検討の方向性を見出し得た。テキストの改訂作業において、インボイス制度導入に関係する箇所の加筆を行い、第4版となって出版された。 それぞれの検討結果として今後の課題、研現状確認と研究の方向性を十分に把握し得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
わが国消費税法における消費税の仕入税額控除は、消費税の要であるがこれに関して、最新の最高裁判決を検討し、評釈を公表することができたとともに、インボイス制度の導入について小論文を執筆することで、これらを研究の基礎及び更なる研究の端緒の一つとしえた。また、令和6年税制改正で導入されたプラットフォーム課税について、アメリカ州税における同制度を比較法的な視点から考察を進めることができ、消費税の徴収面における今後の課題も見いだせたと考える。初年度として付加価値税に関する文献リサーチの結果、その収集を一定程度進めることができたと考える。ただ、円安で関連データベースを購入できなかった点について来年度予算の使い方には課題が残った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後においては、消費税における更なる課題を見出すべく、主に次の2点について研究を推進する。第一に、消費税の課税ベースと非課税項目を中心に検討を進める予定である。特に金融サービスに係る消費税の在り方について、いくつか文献を収集しており、統括会社の消費税負担の在り方を、仕入税額控除との関係で検討していく予定である。第二に、第一年度で検討したプラットフォーム課税について、施行後の問題とその対処策を見据え、EUのVAT指令での扱い及び紛争事例を検討したいと考えている。それぞれについて、資料収集と精読を進めていき、論文執筆・公表へつなげたいと考える。途中、学会の研究会での報告を予定する。
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