Project/Area Number |
23K01148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
東條 明徳 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (40734744)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 刑事立法 / 修復的司法 / 処罰の早期化 |
Outline of Research at the Start |
現在の日本では、犯罪を行う過程のより早い段階から刑罰による介入が可能になるよう刑事立法が進められている。もちろん犯罪をより早い段階でやめさせることができるのはそれ自体としては望ましいことであるが、犯罪の中心的な部分からあまりに離れた行為まで先行して処罰することは、個人の行為自由に対する過度の制限となる可能性もある。このため、処罰の早期化の限界付けのための分析枠組みが不可欠である。本研究はそのような分析枠組みの構築を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、全体として次の3段階を予定している。すなわち、(1)イタリアの法改正に関する研究、(2)ドイツの刑法理論に関する研究、(3)(1)と(2)から得られる日本法への示唆を踏まえた分析枠組みの構築の3段階である。 補助事業期間初年度である2023年度は、このうち(1)段階の研究を進めた。(1)段階の研究として、具体的には、イタリアの2016年の法改正を扱う予定であった。しかし、補助事業期間開始直前の2022年10月に公布、12月に施行された法改正が刑事立法の限界付けという観点からも極めて興味深く、かつ、研究代表者は2023年度の前期はイタリアで在外研究中で、イタリアではこの新たな法改正に関する研究発表やシンポジウムが多数開催されている状況であったため、在外研究中であることの強みを最大限活かすべく、この新たな法改正の内容やそれを巡る議論を追った。 その結果、この2022年の法改正のうち、修復的司法と呼ばれる比較的新しい刑事政策上の考え方を法制度化した部分が、刑事立法の限界を考えるという観点からも極めて示唆的であることが明らかになった。というのも、この新制度では、犯罪が行われてしまった場合に、その被害者・加害者間で紛争解決を目指すということと、国家刑罰権を用いて事件に介入していくということのバランスをどう考えるべきかという視点が設定され、その視点からの制度設計が見られたからである。これは、国家刑罰権による事件への介入の限界付けという本研究の問題関心にも繋がる視点である。 このイタリアの法改正の具体的内容については、本研究の中間的な成果として既に論文の形にまとめ、脱稿済みである(但し、脱稿は2023年度中であるが、公表は2024年度となるため、次頁の「研究発表」には挙げていない)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助事業期間初年度には、本研究課題の予定する3段階のうち、(1)イタリアの法改正に関する研究を進める予定であった。そして、そこから一定のまとまった研究成果が得られれば、中間的成果として論文を公表することも見据えていた。 実際に研究を進めてみると、当初研究対象とすることを予定していたイタリアの2016年改正よりも、新たに行われた2022年改正の方が興味深い内容を含んでいることが明らかになっているため、そちらに研究の焦点をシフトした。その結果、現に本研究との関係でも示唆的な視点が得られたため、その内容を含め、イタリアの法改正に関する論文執筆をも行い、2023年度中に脱稿にまで至った。このため、標記の区分とした次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の予定する3段階のうち、(1)イタリアの法改正に関する研究については、既に中間的な成果の発表にまで至り、一定の区切りを見た。そこで、次年度には、研究計画を立てた当初の予定に沿う形で、本研究課題の予定する3段階のうち(2)ドイツの刑法理論に関する研究に進みたいと考えている。
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