Access to evidence and other materials as a prerequisite for research on cases of miscarriages of justice and wrongful convictions
Project/Area Number |
23K01156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
笹倉 香奈 甲南大学, 法学部, 教授 (00516982)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 訴訟資料 / 知る権利 / 情報公開 / 刑事裁判 / アクセス権 / 誤判・冤罪 / 誤判・冤罪研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、刑事裁判に関連する諸研究の基礎として不可欠な、訴訟資料へのアクセスのあり方を検討するものである。誤判・冤罪の原因を分析・検証し、その結果を実務や制度のあり方の検討や改善に利用することで、公正・適正な刑事司法制度を実現するという目的を達成することが最終目的である。この目的の実現に不可欠な訴訟資料へのアクセスに関する理論的基盤を整備し、比較法研究を通じて問題を喚起し、現状打開の糸口を共有するための基礎研究を行うことが本研究の狙いである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、訴訟資料へのアクセスに関する理論的基盤を整備し、現状打開の糸口とすることを目的とする。とりわけ誤判・冤罪事件の適切な検証の基盤を整備することで、より公正・公平な刑事司法を実現する一助となることを目指すものである。本研究は実態調査、歴史的研究、比較法的研究を行うことをその内容とするが、2023年度はこのうち、日本における訴訟資料のアクセスに関する現在の制度および運用の実態について手続全体を概観するための基礎研究を行った。 はじめに、まずは全体像を理解するために、文献調査、歴史的研究を行った。証拠開示に関する研究を除き、この問題に関する先行研究は必ずしも多くなく、証拠の保存・保管と関連した研究や、証拠の目的外使用禁止規定(刑訴法281条の4)に関連する研究が多少存在する程度である。他方で、近年、誤判・冤罪事件に関連して、事後的な刑事手続の検証という観点からの論稿が増えつつある。これらの文献からは、本研究の問題意識と共通する内容が浮かび上がった。 そこで、①再審事件をはじめとするような2000年以前の古い事件と、②最近の事件の両方につき、訴訟資料へのアクセスという点についていかなる問題があるのかを、弁護実務家への聞き取り調査によって明らかにすることを試みた。①については、現在再審公判が進行中の袴田事件や、その他の再審請求中の事件について、②についてはいわゆる乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)に関する事件や、刑事確定訴訟記録に関する最近の事件を中心として聞き取りを行った。その結果、新旧問わずに共通する点や相違点が浮かび上がってきた。研究2年目以降には、聞き取り調査で発見した問題点についてさらに追究することとしたい。 また、2年目以降に本格的に進める比較法的研究の準備として、冤罪救済問題に取り組む諸外国の団体の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、初年度に基礎的な研究を行うことを目指し、実態調査、歴史的分析、比較法的分析を行うこととしていた。2023年度は、多領域の専門家や刑事弁護の実務家等に対して、現状の制度・運用のどこが問題であると考えられるかを聞き取り調査して明らかにすることができた。その結果、2004年刑訴法改正前後に共通する問題点や、その後新たに出現した問題(たとえば開示証拠の目的外使用禁止規定の問題)、医学的証拠などの専門的な知見が必要となるような事件における問題点等について、あらためて状況を把握することができた。 そのうえで、文献調査を通じて、現行の訴訟資料の管理や公開の目的や方法が歴史的にどのように形成されてきたのかにつき、基礎的な調査を行った。 また、諸外国の現状を把握するために、文献調査などを開始するとともに、海外の研究者や実務家などに対して、各国における訴訟資料の取り扱いに関する基礎的な情報の聞き取りを行った。 歴史研究および比較法的研究については、さらに進める必要があるものの、当初の初年度計画はほぼ順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度の実態調査によって抽出された日本の現状の問題点を中心にすえて、諸外国の状況と比較する研究を深めたいと考えている。また、2023年度に積み残した歴史研究を深化させる。 比較法的研究にあたっては、米国で訴訟記録を用いて冤罪事件の分析を行った研究者をはじめとする世界各国の研究者や、冤罪事件の救済を進める世界各国のイノセンス団体に対する聴き取り調査又はアンケート調査を通じて、比較対象とする制度を抽出していく作業を行う。 現時点でとりわけ注目したいと考えているのは、アメリカのワシントン州の制度のあり方である。ワシントン州は全米の中でも情報公開制度一般が極めて進んでいるとされる法域である。そこで、①同州における刑事訴訟の記録に関する一般的な取扱いや制度について、②例外的に公開が制限される場合のルールについて、③情報公開制度と刑事訴訟記録との関係などについて、立法史や運用を含め、詳細な研究を進めたいと考えている。その他、アメリカの連邦や、イギリス、ドイツなどの大陸法系の国々の制度、台湾やマレーシアなどアジアの国々の制度について、まずは概要を調査したうえで、研究を深めることを予定している。 上記の研究推進のために、文献調査、ウェブによるインタビュー調査、現地調査等の手段を効率よく組み合わせたい。また、歴史研究については、引き続き進めていくこととする。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)