Project/Area Number |
23K01187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石田 剛 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (00287913)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 相続と登記 / 対抗問題 / 相続 / 包括承継 / 権利変動の対抗要件 / 遺産共有 / 共同相続人間の平等 |
Outline of Research at the Start |
民法899条の2、902条の2、909条1項ただし書及び909条の2をめぐる解釈論上の問題につき、令和3年改正において相続登記の義務化及び遺産分割促進のための規律が新設されたことがどのような影響を及ぼしうるかという観点から考察する。立法過程の分析と比較法的検証に基づき、遺産分割において重要な位置を占める不動産及び預貯金債権に関して新たに生じている問題の解決策を提言する。加えて相続による動産に関する権利及び債権の承継に関して新たに生じている問題についても解決の糸口を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、平成30年度相続法改正における民法899条の2の新設が不動産物権変動論全般に及ぼしうるインパクトについて、令和3年度民法・不動産登記法改正による相続登記申請の義務化の背景にある登記制度構築の基本的な考え方とも関連づけながら考察した。その成果として、不動産物権変動における対抗の意義につき再考を迫る提言を含む論文「共同相続における法定相続分の取得と不動産登記」を発表するとともに、学説史研究の一環として法律学専門誌に「日本的な意思主義・対抗要件主義における不動産登記の権利公示機能」を投稿し、また「書評〈民法学のあゆみ〉佐藤康紀「『共有』物の使用及び管理に関する規律とその多元性ーフランス法の展開を素材として(一)~(五・完)」を公刊した。さらに相続登記の申請義務化に関して、法改正に伴う実務上の留意点を解説する書籍『Before/After民法不動産付き方』と民法177条における「物権の得喪変更」の意義をめぐる重要判例を解説する学生向け書籍の分担執筆をした。そのほかに民法177条における背信的悪意者排除論と転得者に関係する裁判例の判例評釈を執筆した。 債権法に関する研究として、債権譲渡と相殺につき倒産の局面における問題と平時における問題を対比する書籍の分担執筆として、「抗弁としての相殺と倒産」と題する論文を寄稿する一方、債権譲渡の法形式を用いた金融ファクタリングに対する規制問題を、給与ファクタリングの「貸付け」該当性を肯定した最高裁令和5年20月20日決定を機縁として考察する論文を発表した。また以上の研究成果をふまえて債権総論の共著教科書を改訂した。 以上とは別に、民法全体を俯瞰して捉える書籍「一橋法学レクチャーシリーズ教養としての法学と国際関係学」および初学者向けの民法総則の導入教育教材「民法チェックノート①総則」を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の夏季又は春季の休暇中にドイツでの短期在外研究を予定していたが、受入予定先と当方の都合が合わず、やむを得ず国内に留まり近時の法改正を契機として生まれた様々な解釈論の問題点の分析に注力した。その結果として、日本法における議論状況を整理し、相当程度分析を進めることができたものの、比較法研究に関しては、デジタル化の進む現代社会における物支配の在り方に関する論文等を読み進めたほかは目立った進捗がなかった。その点において当初の予定からすると進捗が遅れており、トータルでみると、予定した内容を完了したは言い難い。とはいえ、相続法の基礎研究をふまえて新しい視点を打ち出すことができた点においては顕著な収穫があったといえることから、概ね順調に進展しているものと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は遅延しているドイツ法の比較法研究を推進しつつ、近時重要性を増しつつあるデジタル資産の相続などをめぐる新たな問題を分析する基本的な視点を確立するため、令和5年度に引き続き、ドイツ語文献の講読を継続する一方で、春期休暇中にドイツ(フランクフルと大学)での在外研究計画を実現することができるよう準備を進めている。相続と登記との関係で重要な意味をもつ遺言執行者の権限に関する議論について検討を深める必要があるため、特に相続法の研究者との学問的交流を積極的に行い、関東エリアの判例研究会及び関西地区における実務家及び研究者とが合同で行う研究会等の場を通じて、令和5年度中に形成した土台をもとにさらに精緻な検討を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)