Project/Area Number |
23K01234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大澤 麦 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (30306378)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 共和主義 / コモン・ロー / イギリス革命 / 古来の国制 / 立憲主義 / ピューリタン / 共和制 / レヴェラーズ / 主権 |
Outline of Research at the Start |
共和国という言葉には、今日の公共性の概念の中核を形成した共和主義思想を生んだ政体という観念が伴う。本研究は古典古代の都市国家の理念を起点とする共和主義思想史の一大転換点を17世紀中葉の革命期イングランドの国制論争に見出し、そこで提示された共和国の理念の変容過程を分析する。その際の鍵となる概念が「古来の国制」である。封建王制の様式をとり、多様な政治理念を包摂する柔軟性を備えたこの「国制」は外来思想であった共和国の理念をも受容し、新しい公共性を体現する近代の共同体の理念へと変容するのに寄与したというのが本研究の仮説である。本研究は日本における共和主義の受容の問題を考える際にも重要な示唆を与えよう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、古典古代の都市国家に起源をもつ共和主義思想史の近代における一大転換点を17世紀イングランドの国制論争に見出し、そこで提示された共和国の理念の変容過程の分析を同時代の「古来の国制」(Ancient Constitution)概念を思想的コンテキストに据えて遂行し、これによってイングランド共和主義の特質と成立条件を明らかにすることにある。 この目的のために本年度は、研究初年度として、本研究全体の基盤となる上記の「古来の国制」を構成する諸理念についての基礎文献・基礎資料の精読に研究の大きな比重を割いた。具体的には以下の2つの項目とその文献の検討を行った。 (1)オックスフォード大学ボードリアン・ライブラリーにおいて、「ノルマン・コンクェスト」および「ゴシック政体」に関わる20世紀中葉から今日に至るまでに公表された主要な研究文献を渉猟した。 (2)ピューリタン革命の前半期に議会派の立場から「古来の国制」を論じた代表的な政論家および聖職者、具体的にはフィリップ・ハントン、ウィリアム・プリン、チャールズ・ハール、ジェリマイア・バローズ、ヘンリ・パーカー等の主要著作を緻密に検討した。それと同時に、Early English books, 1641-1700 および Early English Newspapers, 1622-1820 に収録されている諸資料のうち、上記の著作の解明に必要な資料を検討した。 また、上記の検討と併せて、日本西洋史学会、政治思想学会、日本ピューリタニズム学会、社会思想史学会の研究大会に出席して、関連諸分野の研究者との意見交換を行うことで、知見を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は上記「研究実績の概要」にも記したとおり、研究初年度として、本研究全体に関わる基礎文献・基礎資料の精読に力を入れる予定であった。この点については、ほぼ予定どおりに研究は進んだと考えている。 以上述べたことから、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に遂行した研究を下地にして、以下の3つの項目について重点的に研究を行うことで、2年後に本研究全体を完結させることを目指す。 (1)ピューリタン革命の前半期に議会派の立場から「古来の国制」を論じた代表的な政論家および聖職者たちの立論が、どのように変容されて急進派レヴェラーズの共和主義の形成に寄与したかを明らかにする。その際、「古来の国制」の理念が果たした役割についての考察を中心に据えることにしたい。この成果は、学術論文ないしは学会発表によって公表する計画である。 (2)上記(1)で出された結論を基底に据えて、1650年代のピューリタン革命後半期の共和派の共和国観の特質を解明したい。ここにおいては、「古来の国制」の理念が共和国体制の定着という視点から、どのように関りを持ったかを考察の中心におきたい。このことによって、その革命全体にわたる共和主義の潮流が、「古来の国制」という統一された視点から明らかになるものと考えている。この成果についても、学術論文ないしは学会発表、できれば研究書の刊行によって公表したいと考えている。 (3)本研究で得られた知見を活用して、1650年代の共和主義者マーチャモント・ニーダムの主著『「自由な国家」の卓越性』の翻訳を、詳細な解説を付したうえで刊行したい。 研究全体を通じて、関連する諸学会の研究者との意見交換を怠らないように努めたい。
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