Project/Area Number |
23K01290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉田 敦 東洋大学, 経済学部, 教授 (20559835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 優 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (60826882)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | アフリカ / 一帯一路 / 石油・天然ガス / 開発援助 / 資源開発 / 中国 / 資源の呪い |
Outline of Research at the Start |
中国とアフリカ間における経済連携強化(中国の「一帯一路」)についての研究を実施する。特に、本研究では特に資源富裕国(石油、天然ガス、鉱物資源)を主な対象国として、援助受入国であるアフリカ側からみた中国投融資への積極的関与に着目する。これは従来の中国側からみた一方的な収奪対象としてアフリカを捉えるのではなく、アフリカ政府が欧米諸国からのガバナンス圧力を回避しつつ「建前上の」経済開発を進める現状を分析する。対象国の現地調査を実施・検証のもと、独自の理論である「偽装開発モデル」を提起し、同研究領域における新たな学術的視点を提起する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は中国とアフリカ諸国間の経済連携強化に関連する先行研究の整理および研究課題に関する研究発表を主に実施した。特にJohns Hopkins University, Chinese Loans to Africa Database,China Africa Research Initiative.による中国のアフリカ投資・融資の統計資料およびレポートを詳細に分析することで論点を整理することができた。理論面では、セルジュ・ミッシェルとミッシェル・ブーレのLa Chinafriqueの資源収奪論、Vine, Alexによる債務の罠、DreherおよびCheruのホワイトエレファント論に関する先行研究の論点整理をおこなった。FDIの地域別流入については、上記の中国・アフリカ研究イニシアティブ(SAIS/CARI)からガーナやアンゴラなどの西アフリカ地域(大西洋沿岸諸国)とスーダンなどの東アフリカ地域で共通して、中国からの集中的な融資がおこなわれていることが判明した。特に中国からのアンゴラ支援は、和平合意成立直後の2002年から本格化し、その後、毎年20億から30億ドル規模の融資が継続的実施され、2016年には中国開発銀行(CDB)によりアンゴラ国営石油公社への100億ドルの資本再構成向け融資が行われている。これらの多額の借款の返済の多くは、アンゴラで産出する石油を中国に輸出する代金によって返済する契約内容となっており、アンゴラへの経済支援のうち大半を輸出入銀行・中国開発銀行からの借款(資材調達および建設工事は中国タイド)が占め、それと合わせて(無償を含む)政府援助が供与されている。引き続き、本研究を通じて、請負契約と労務提供方式を一体化した「四位一体」(貿易・投資・援助・経済協力=労務輸出)援助アプローチの検討を実施していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
貿易・投資・融資をめぐる中国とアフリカとの間の経済連携強化に関する基礎的統計、分析レポートおよび学術研究の論点整理をおこなった。また、中国(およびロシア)による資源開発動向およびアフリカでの政治的不安定性の関係性について研究を進めた。 2023年10月には東洋大学アジア文化研究所主催の国際交流シンポジウムにて「米中対立下における中国企業の海外投資」において「中国とアフリカ諸国間の経済連携強化の現状と課題」という題目で発表をおこなった。発表の内容については2024年度中に論文としてまとめる予定である。またサヘル地域の政治的不安定性について、複数の雑誌上で論考を発表した。また、2024年2月26日に一般社団法人 日本経済団体連合 日本アルジェリア経済委員会において、「アルジェリア政治経済情勢の現状と展望」の発表を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
一帯一路構想の進展にともない、実態面から両大陸の貿易・投資・援助がどのように推移しているのか。そして、その特徴について研究を進めることができた。今年度は、アフリカ側からみた中国投融資への「積極的関与」を論点にして、いくつかの事例を検討する。そのうえで中国の対アフリカ投資および援助アプローチが、アフリカ諸国の統治体制及び経済政策にいかなる影響を与えているのかを検証していきたい。
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