わが国における文化芸術統計の体系化-理論的枠組みの構築と体系的統計データ集の作成-
Project/Area Number |
23K01339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
勝浦 正樹 名城大学, 経済学部, 教授 (70224467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西郷 浩 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00205626)
橋本 紀子 関西大学, 経済学部, 教授 (60198687)
高良 佑樹 千葉経済大学, 経済学部, 准教授 (90835860)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 文化統計 / 社会生活基本調査 / 文化に関する世論調査 / 就業構造基本調査 / 日本標準産業分類 / 生産物分類 / ミクロデータ / 統計分類 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,これまでわが国では体系的に整備されていなかった文化統計について,諸外国・国際機関などの文化統計の体系化の枠組みを検討しながら,わが国の文化統計を体系的に収集し,文化統計データ集を作成することを試みる.収集する統計データのもとになる統計調査で用いられている分類において,文化の範囲の定義に関する先行研究の成果を参照した上で,文化を総論(文化の需要,供給,貿易など)と各論(美術,音楽,遺産などの文化の各分野)に分けて,各項目に該当するデータを収集し,概説を加える.その成果は,エビデンスに基づいた政策立案を文化政策で実現するための基礎資料として有用となる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,わが国ではこれまで体系的に収集されてこなかった文化芸術関連の統計データについて,諸外国や国際機関で整備された枠組みを参考にわが国の実状に合った枠組みを構築した上で,公的・民間統計を収集し,文化芸術の実態を体系的にまとめた統計データ集を作成することである. これまで行った研究では,まず,諸外国・国際機関における文化統計の体系化の枠組みについて精査し,各国・機関の特徴を把握した上で,わが国で文化統計を体系化するのであれば,どのような枠組みを構築すればよいかに関して,総論部と各論部に分けて検討した.具体的なデータを収集する前に,文化の範囲をできるだけ広くとるという視点を定め,文化統計の体系化の試案として一定の枠組みを作成した. また,体系化を行う際に問題となる文化に関する統計分類に関して,わが国において新設された生産物分類と改訂される産業分類を検討し,文化統計の体系化への活用に関する考察を行った. さらに,公的統計の公表データや個票情報を用いて,体系化する文化統計に必要と考えられる統計データの作成・収集を試みた.第1の試みとして, 総務省「社会生活基本調査」の生活行動調査の趣味・娯楽の項目から,文化的活動を定義し,何らかの文化的活動に参加した人口(行動者数)や行動者率を推計した.こうした推計結果は,体系化の枠組みの構成要素の重要な項目となる文化への参加状況を把握する際に,主要な指標を構成する.第2に,総務省「就業構造基本調査」の個票情報を用いて,職業小分類ベースでの芸術家の所得や就業時間・就業日数などの分布を明らかにした.第3に,文化庁「文化に関する世論調査」のデータを用いて,文化的活動の参加頻度に影響を与える要因や新型コロナウイルス感染症拡大による文化的活動への参加に対する影響などを検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画としては,①諸外国の文化統計の体系化等に関する文献研究,②文化に関する統計分類の研究,③ミクロデータの分析方法の検討と集計などを考えていた. ①の文献研究に関しては,文化統計の枠組みに関する文献を精査するとともに,諸外国・国際機関の文化統計に関するウェブサイトを閲覧することによって現況を把握し,諸外国・国際機関でどのように文化統計が体系化されているのかについての考察を行い,わが国の文化統計の体系化に役立つ情報を収集することができた. ②の文化に関する統計分類については,生産物分類と産業分類について,文化の範囲を規定する試案を作成した. ③のミクロデータの分析等については,社会生活基本調査,就業構造基本調査,文化に関する世論調査のミクロデータを用いた実証分析を実施し,文化的活動への参加や文化関係就業者の就業状況を明らかにすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降,以下のように研究を進める予定である. まず,諸外国の例を参考にしながら,わが国において文化統計を体系化する独自の枠組みをより精緻なものにする.文化の範囲を最大限にとった枠組みはある程度できているため,統計データの利用可能性なども鑑みながら,総論部と各論部に分けたより現実的な枠組みを検討していく.総論部では,文化の供給(担い手)に関する就業者数や生産額,文化芸術の鑑賞(参加),生活時間,支出額,文化の輸出入などマクロな観点で,各論部では,音楽,演劇,舞踊,美術,伝統芸能,文化遺産,視覚芸術(映画を含む)といった文化芸術を分野別に分けたミクロな観点で,それぞれの項目・分野で文化を把握できるような枠組みを構築していく. そして,その枠組みに対して各分野で必要となる公的統計・民間統計をピックアップしていき,枠組みの実現性を確認していく.そのために,今年度に行ったような個票情報(ミクロデータ)を利用した再集計等が必要であれば,ミクロデータの利用申請を行った上で集計を実施する. このような予備的段階を踏まえた上で,作成した枠組みに実際のデータをあてはめ,文化統計の体系化をある程度完成させた上で,様々な観点から修正・改善を行い,より完成度の高いものとしていく. なお,ミクロデータの利用に関しては,必要な集計を実施するだけではなく,文化的活動への参加の要因分析や芸術家の所得分布などの実証分析もあわせて行い,国民の文化的活動や芸術家・文化関連従事者の実態に関して,これまで分析されてこなかった点についても明らかにしていく予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] 文化統計の体系化に関する調査・研究2024
Author(s)
勝浦正樹
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Journal Title
Journal of Cultural Economics
Volume: 21
Issue: 1
Pages: 7-13
DOI
ISSN
1344-1442, 1884-2208
Year and Date
2024-03-31
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