Project/Area Number |
23K01341
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
|
Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
小川 一夫 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (90160746)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 健康リスク / 自己保険機能 / 家計パネル調査 / added worker effect / caregiver effect |
Outline of Research at the Start |
本研究では、家計の就業者が負の健康ショック(ここでは入院)に襲われた場合、家計内の自己保険がどのように機能するのか、わが国の家計のパネルデータを用いた実証分析を行う。自己保険とは、家計の構成員が負の健康ショックに直面した場合、健康ショックを軽減するために、自らリスクを負担する行動のことである。配偶者がいる場合には、その配偶者の労働供給行動の変化が予想される。また、無配偶者の場合には自らが蓄えた資産の取り崩しによって負のショックを相殺する行動が予想される。このように本研究では、配偶者の有無等の世帯形態の違いによって自己保険の機能がどのように異なるのか、定量的分析を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、まず本研究で使用する慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターが提供している家計パネル調査『日本家計パネル調査;略称 JHPS/KHPS 』の申請を行い、データの使用が許可された。このパネルデータは2004年以降継続的に実施されており、無配偶者世帯と有配偶者世帯を識別することができる。さらに世帯主と配偶者それぞれの健康状態についていくつかの調査項目が含まれている。本研究で主として使用する健康ショック変数は、昨年 1 年間に入院を経験したか否を尋ねたバイナリー変数である。また、ふだんの主観的な健康状態を尋ねる項目も用意されている。さらに、世帯主と配偶者の労働供給行動(正規雇用、非正規雇用、無業)、所得、貯蓄・消費行動に関する調査項目も収録されている。 令和5年度は、JHPS/KHPSのデータベースから実証分析に用いるパネルデータベースを構築する作業に従事した。その際に、構築されたデータベースは大容量となるので、そのデータベースを用いて計量分析を行うために、高速のパソコン(Mac Book Pro 14インチ)とデータを分析するための計量経済分析用統計ソフト(Stata/MP18)を購入した パネルデータベースを構築した上で年齢、子供の数、学歴、実質所得、実質流動資産の保有状況、住居形態、負債残高、就業状況(正規雇用、非正規雇用、無業)、入院状況、主観的な健康状態等、種々の家計の属性について記述統計を用いてデータセットの詳細な特徴をつかんだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年4月に提出した「令和5年度科学研究費助成事業交付申請書」において述べた令和5年度の研究実施計画はほぼ達成された。その上で令和6年度は構築した家計パネルデータベースに基づいた本格的な実証分析を始める準備が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には、就業者に負の健康ショックが生じた場合に本人を含む世帯構成員の労働供給行動、時間配分がどのように変化し、その結果世帯全体の所得水準がどの程度影響をうけるのか、そのメカニズムに関する理論モデルを構築して、そのモデルに基づいて構築した家計パネルデータベースを用いた実証分析を行う。 負の健康ショックをパネルデータで利用可能な「入院」によってとらえ、入院が、就業形態(無業、非正規、正規)に与える効果を「変量効果順序ロジットモデル」により推定する。無配偶者世帯の場合には自らの労働供給に及ぼす影響、有配偶者世帯の場合には夫妻の労働供給の代替・補完性について定量分析を行う。その際に入院による所得の減少効果つまり厚生水準の変化を有配偶者世帯と無配偶者世帯の間で定量的に比較する。以上の実証分析の結果を踏まえ、負の健康ショックが発生した場合の家計内の自己保険機能を総合的に評価する。
|