Project/Area Number |
23K01346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
本山 卓実 富山大学, 学術研究部社会科学系, 講師 (10820342)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 世代重複モデル / 研究開発補助金 / 国債の維持可能性 / 内生成長モデル / 研究開発投資 / 国債蓄積 / 確率投票モデル |
Outline of Research at the Start |
経済成長をもたらす重要な要因として研究開発による技術進歩があり、これまで多くの研究開発を考慮した理論分析が行われた。加えて、日本では2016年に国民経済計算を改訂し、これまで中間財として見なしていた研究開発費をGDPに影響を与える投資項目に計上した。これにより、景気刺激を目的とする政府による研究開発への支援政策は益々重要な政策となった。 上記を踏まえて、本研究では既存研究では扱われてこなかった(1)政府による研究開発補助金を国債発行で賄える場合に従来の結果とどのような違いが生じるのか(2)政府が投票を経て政策決定する場合の最適な研究開発投資が満たすべき条件、という2つの観点から理論分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は経済成長モデルの中でも頻繁に利用される「研究開発(R&D)が成長のエンジンであるモデル(R&D based growth model)」をベースに、R&D投資を促進する「R&D補助金」に焦点を当てている。R&D補助金について扱った研究は数多く存在するが、一方で(1)税収のみを使用した(均衡財政)補助金政策に関する議論や(2)(世代間対立や選挙プロセスなどは考慮に入れず)経済成長率や社会厚生を最大にするような補助金水準の議論が多い。 本研究ではそれぞれの状況をより現実的にするべく(1)国債発行による歳入を認めた場合の分析と(2)投票行動と世代間対立を同時に考慮できるモデルの構築と分析を行うことを目的氏とした。 2023年度において1つ目の「国債蓄積を考慮に入れた最適なR&D補助金政策」について考えるため、公債金収入を導入した(つまり均衡財政でない)ようなR&Dが成長のエンジンであるような成長モデルを構築し、均衡を導出後その結果について取りまとめた。 モデル分析の結果、長期的な均衡(定常状態)の存在する条件や安定性、また定常状態での比較静学の結果などを取りまとめ、学術論文に取りまとめている最中である。 一方で比較静学の結果が複雑であったり、均衡の存在する条件についての意味付け(通常の国債の維持可能性の文脈では動学的に非効率であることが存在のための必要条件になるがそこが緩む理由)など不十分なところもあり、それらの含意の解釈について現在取り組んでいることろである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度に取り組んだ内容については「研究実績の概要」のとおりであるが、モデル分析の結果の含意の解釈について現在取り組んでいることろである。モデルの構築及びその計算結果が明示的に得られており、「国債蓄積を考慮に入れた最適なR&D補助金政策」のついてベースは出来ている。理論分析において困難となるモデルの構築とその解析ができたという意味で研究はおおむね順調に進展しているといえる。一方で結果の解釈に少し難儀があり、モデルの設定のマイナーチェンジや数値例を用いた分析が必要になると考えられる。本来は2023年度中に論文の第1稿を完成し投稿予定であったためその点で当初の計画より少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究方針は主に2つである。一つ目に現在取り組んでいる国債蓄積を考慮に入れたR&D補助金政策について考えるために、結果の含意について解釈し論文を執筆する。その後はワーキングペーパーにしたのち国際誌に投稿する予定である。 2つ目に研究申請書で予定していた選挙行動(確率的投票)を考慮に入れた上でのR&D補助金政策についてモデルの構築を行い、政治経済学的行動や世代間対立などを考慮に入れた下でのR&D補助金政策の効果について考察し、また併せて関連研究のサーベイを行う予定である。 2025年度には一つ目の研究のリバイズ及び2つ目の研究について論文の執筆を終わらせ、国際誌に投稿する予定である。
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