The role of childcare policies in the interaction of local economies and fertility rates
Project/Area Number |
23K01354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
橋本 浩幸 兵庫県立大学, 社会科学研究科, 准教授 (30295620)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 少子高齢社会 / 育児支援政策 / 人口構成 / 地域間人口移動 / 地域間格差 |
Outline of Research at the Start |
少子化問題に直面する地域の育児支援政策がマクロ経済に影響をもたらす「経済理論的には未知」の経路を探求する.人口動態の変化が地域間の相互作用を伴いながら経済全体に影響を及ぼす経路が明示できる理論モデルを用いて,地域で実施される育児支援政策についての新たな知見を導出する.複数地域から一国経済が構成されるマクロ経済モデルを複数構築する.構築されるモデルを用いて,各地域の育児支援政策が,当該地域の住民に直接的効果をもたらすだけでなく,各地域の相対的魅力の変化を通じて,住民の意思決定に関するインセンティブ構造の変化をもたらすことで経済全体にも影響を与える政策波及経路があることを示す.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年4月から2024年3月までの研究実績として、査読付き論文二編を欧文誌で公刊できた。 1)Does an urban childcare policy improve the nurturing environment in a city? (with Tohru Naito)Asia-Pacific Journal of Regional Science 1-25, Nov, 2023. 2)Regional differences in childcare environment, urbanization, and fertility decline (with Tohru Naito)Letters in Spatial and Resource Sciences 17(1), Feb, 2024. 1)は、非対称な2地域で構成される3期間世代モデルをもちいて、低出生率に直面する地域において、その地域の育児環境(公的育児施設の不足)の改善を目指した地域政府が、課税を強化して公的育児施設の供給を増やしたときに、地域間賃金格差への影響をつうじて、当該地域の親世代人口が変わる可能性があり、結果として、当該地域の育児環境は改善せず、低出生率対策に資さない可能性があることを示した。2)は、一国内の都市部への人口集中と合計特殊出生率の低下という現実の人口動態の側面を念頭に置き、地域出生率を上昇させるという意味で、成功的な地域育児支援政策が、都市への人口移動を促し、結果、一国の合計特殊出生率を低下させるモデルを提示した。また、以下の学会報告を行った。 The Impacts of Childless Couple on Demographics in a Two-Region OLG Model with Differential Childcare Environment, 70th Annual Meeting of North American Regional Science Council, San Diego, CA. November 15 -18, 2023. 研究課題に沿って、研究の多面的展開を計っており、その経過報告として、無子家計の存在を考慮に入れて、地域間人口分布の多様なあり方を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究支援を受ける前に、いくつかの学会でおこなった報告(主たる報告学会としては、例えば、North American Regional Science Council 2022、PRSCO Conference of the Regional Science Association International 2022、日本応用経済学会 秋季大会 2021年11月14日)において、その後の研究成果の公刊につながる有益なコメントやアドバイスを数多く頂けたことは、研究の進捗に貢献した。ただし、公刊した研究成果とは異なる分析してから研究課題に取り組むために、数値計算の手法や統計分析に手法を効率的に習得する必要があったが、これにはそれらの研究手技に長けた研究者仲間から陰に陽にアドバイスを受けることが重要であるが、コロナ禍においての行動制限もあり、類似する研究関心を持ちつつも分析手法や分析の視点の異なる研究者たちと活発な人的交流ができなかったことは、研究課題の効率的な進捗のための知見を深めたり拡げたり出来なかったという意味において、研究の進捗を遅らせた要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
地域の育児支援政策が人口動態に与える影響を、1)包括的地域政策の中の育児支援・人口政策、および2)子供を産み育てることに関する選好の異質性、これら二つを考慮に入れた理論モデルの拡張を計画している。1)については、育児支援政策と地域間の居住選択のインセンティブ環境との関係に焦点を当てた研究が不可欠と考える。また、2)については、子を持たないカップルの意思決定の様子を明示的に捉える必要がある。このような視点は、一般的には、少子人口減少社会の重要な側面であることは比較的知られていると思われるが、経済理論モデルにおいて精緻に探求されてきてはいない。そこで、既存の研究成果を拡張して、複数地域に同時に政策介入する場合の政策効果を分析するための理論モデルを開発し、さらに、子供のいないカップルがいることを「前提」にした理論モデルを開発し、子供を持つことに関して異なる選好をもつ人々の存在は、地域および経済の出生率の動向にどのような影響をもたらすのか分析を進めたい。まずは、既存研究の整理を続け、研究課題の位置づけと学術的貢献を一層明確にした上で、モデル開発につとめたい。2024年度は、これらの研究の途中成果について、日本経済学会、日本応用経済学会、および、North American Regional Science Councilなどの所属学会の年次大会での報告を目指す。以て、本研究課題の重要性を該当分野の研究者間で共有するとともに、査読付き欧文誌での公刊を目指す。さらに、これらの研究成果を実践に生かすためには、地域開発計画や人口動態予測に基づいた政策提言が不可欠です。地域の保育政策や都市化の影響を考慮した持続可能な社会づくりを目指すための政策理解を深めるために、特徴的な育児支援や都市政策に取り組んでいる自治体に出向く調査行い、地域社会の確実な発展に向けた政策的示唆を得ることを期待している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)