Who is most affected by bullying in academic performance? An empirical study using causal inference and machine learning
Project/Area Number |
23K01372
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
モヴシュク オレクサンダー 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (50332234)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 学力 / いじめ / 国際学習到達度調査 / PISA / 因果推論 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
学校でのいじめは、子どもたちの生活に多くの悪影響を及ぼす。その一つは学力の低下であり、長期的には教育達成度の低下、成人後に直面する労働条件の悪化、様々な健康問題の発生につながる。本研究では、2つの国際学力調査を利用し、いじめが子どもの学力に与える長期的な影響を分析する。いじめの内生性の問題を解決するため、最新の因果推論と機械学習手法を組み合わせて分析を行う。これはデータに依拠する方法であり、学力への悪影響が比較的大きく、いじめに特に弱い子どもたちのサブグループを特定することができる。その結果、いじめの悪影響を抑制するための効果的な証拠に基づく政策立案が可能になる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、いじめが生徒の学力にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的としている。特に、いじめの影響が生徒一人一人で異なるのかどうかに注目している。そして、2015年と2018年に実施された国際学習到達度調査(PISA)のデータを用いて、いじめの程度を表す指標を作成し、様々な角度から詳細な分析を行った。 分析の結果、いじめの影響は生徒の個人的な特徴や学校の環境によって大きく異なることが明らかになった。中でも、生徒の年齢と性別が特に重要な要因であることが分かった。年齢が上がるにつれて、いじめによってテストの点数が下がる傾向が見られた。さらに、男子生徒については、いじめを受けるとテストの点数が著しく下がることが明らかになった。 また、2種類の統計的な検定を行った結果、いじめの影響の違いは偶然ではなく、確かに存在することが確認された。1つ目の検定では、いじめの影響に違いがないという仮説が棄却された。2つ目の検定でも、いじめの影響の推定値が生徒のグループ間で有意に異なることが示された。これらの結果は、先進的な分析手法を用いることで、いじめの影響の複雑な違いを浮き彫りにできることを示している。 本研究の成果は、いじめ防止策を考える上で非常に重要な示唆を与える。生徒一人一人の特徴に応じた、きめ細やかないじめ対策が必要不可欠であることを示している。また、年齢によっていじめの影響が異なることを踏まえ、発達段階に応じた対策も重要だ。画一的な対策ではなく、生徒の多様性を十分に考慮に入れることが不可欠だと考えられる。 これらの知見を活用することで、より効果的ないじめ防止策を立案し、全ての生徒が安心して学べる環境を整備していくことが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示したとおり,当初の研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。 2024年度以降は、Trends in International Mathematics and Science Study(TIMSS)調査の小学4年生と中学2年生のデータ(1995-2023年、8回分)を用いて、分析を進めていく予定である。まず、各調査間で比較可能となるようデータを整理する。そして、2024年度は小学4年生、2025年度は中学2年生のデータを用いて、子どもの学力に与えるいじめの因果効果を推計し、その長期的な変化を明らかにする。 2026年度は、小学4年生のデータを用いて、中学2年生と同様のいじめの因果効果を分析する。そして、疑似パネルの手法により、ある母集団の小学4年生時点でのいじめの影響と、その母集団の中学2年生時点でのいじめの影響を比較する。これにより、日本の教育制度が、子どもの成長過程においていじめの影響をどのように変化させているのかを明らかにしたい。 分析には、因果推論の枠組みに機械学習を組み合わせた最新の手法を用いる。これにより、いじめの影響の不均一性を探究し、特にいじめの影響を強く受ける子どものグループを特定することを目指す。 本研究の成果は、客観的なエビデンスに基づくいじめ防止策の立案に寄与することが期待される。いじめ問題に悩む児童生徒一人一人に、より効果的な支援を実施する手がかりとなることを期待する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)