Project/Area Number |
23K01424
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
山崎 泉 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (00643181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 麻衣 立命館大学, 経済学部, 准教授 (70771468)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | アフリカの教育 / 脆弱な立場にある子ども / 発達 / 教育成果 / 障害児 / 先住民の子ども / 紛争下の子ども |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、開発途上国と日本において、脆弱な状況(障害、先住民、紛争下等) にあることが乳幼児期の発達や就学、学力・非認知能力にどのように影響するかを解明することである。本分析を通し、脆弱な状況下の子どもの支援の政策形成に繋げる。本目的の達成のために、本研究で5本の論文を執筆し、研究成果を広く発信する。本研究の特色は、(1)国際比較可能な子どもの障害に関する数十か国の調査データと、日本での独自の調査データの使用、(2)脆弱層の子どもの乳幼児期の発達、就学、学力・非認知能力とそのメカニズムの検証、(3)家族固定効果、回帰不連続デザイン等を利用した因果推論、(4)高い社会的意義である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、開発途上国と日本において、脆弱な状況(障害、先住民、紛争下等) にあることが乳幼児期の発達や就学、学力・非認知能力にどのように影響するかを解明することである。本分析を通し、脆弱な状況下の子どもの支援の政策形成に繋げる。 2023年度(2023年4月~2024年3月)は、脆弱な状況(障害、先住民、紛争下等)に置かれている子どもの背景情報を詳細に把握するために、文献調査と簡単な統計分析を行った。具体的には、まず最初に教育も重要な要素である「人間開発」や「人的資本」の概念や理論を確認した。次に脆弱な状況に置かれている子どもが一番多いアフリカ諸国を中心に、人間開発指標や人的資本指数を確認した。さらに、アクセス、質、効率性、公平性の観点からアフリカの教育指標を確認した。また、Bashir, Lockheed, Ninan and Tan(2018)やUNESCO and AU (2023)等の世界銀行やUNESCOなどが出版した最近のアフリカの教育に関するレポートを読み、アフリカの教育の課題や政策提言を確認した。昨今のコロナウイルス感染症のアフリカの教育への影響についても確認した。 ここでは単純な統計分析からわかったことを簡単に記す。ここ三十年のデータを見るとアフリカの教育は量的に大きく拡大し、初等教育がほぼ普遍化している国が沢山見られる。一方、アフリカを中心に障害児や紛争下の子どもなど脆弱な状況下にある子どもの就学率が依然低い国も多い。また、教育の質は課題が多く、たとえ一定期間学校に通っていたとしても、必要最低限の学力が身に着いていない子どもや成人が非常に多い。留年率や中退率も高く、教育の効率性にも課題がある。居住地、所得、性別による格差も存在する。このような課題がある中、新型コロナウイルス感染症がアフリカの教育の課題を大きく悪化させていることも分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、2023年度(2023年4月~2024年3月)は脆弱な状況(障害、先住民、紛争下等)に置かれている子どもの背景情報を詳細に把握するために、文献調査と簡単な統計分析を行った。具体的には、まず最初に教育も重要な要素である「人間開発」や「人的資本」の概念や理論を確認した。次に脆弱な状況に置かれている子どもが一番多いアフリカ諸国を中心に、国連開発計画(UNDP)の人間開発指標や世界銀行の人的資本指数をそれぞれの機関のウェブサイトから入手し、分析した。さらに、世界銀行のWorld Development IndicatorsやEducation Statistics - All Indicatorsというデータベースから様々な教育指標を入手し、アクセス、質、効率性、公平性の観点からアフリカの教育を分析した。また、Bashir, Lockheed, Ninan and Tan(2018)やUNESCO and AU (2023)等の世界銀行やUNESCOなどが出版した最近のアフリカの教育に関するレポートを確認し、アフリカの教育の課題や政策提言を確認した。昨今のコロナウイルス感染症のアフリカの教育への影響についても確認した。 研究代表者が2024年度から別の大学に移籍することが決まり、2023年度後半は引継ぎや移籍の準備に追われたことなどから、当初の計画からは進捗が遅れた。共同研究者とのミーティングについては、研究分担者の立命館大学の関麻衣氏とは1か月に1,2回程度実施したが、研究協力者とはまだキックオフミーティングができていない。一方で、2023年度はプロジェクトの全ての論文の参考となる背景情報を丁寧に収集することはできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、共同研究者と上記の調査結果を共有し、定期的なミーティングを実施し、それぞれの論文のリサーチクエスチョン、仮説、使用データ/データ収集方法、分析方法の方向性を固めたい。また学会にも出席し関連情報の収集に努めたい。 具体的には以下のスケジュールで今後の研究を推進予定である。 【2024年4-5月】2023年の背景情報の調査結果をまとめる。【2024年6月】リサーチアシスタントを採用、週1回程度のペースで研究補助をしてもらう。【2024年5月~9月】研究代表者の関麻衣氏と月に2回程度ミーティングを実施し、第2プロジェクト「障害以外の脆弱な状況にあることが発達、教育成果に与える影響」の論文⑤「開発途上国で児童虐待や脆弱な家庭環境が乳幼児期の発達、就学、学力・非認知能力に与える影響」について、使用データを確認し、先行文献を調査し、リサーチクエスチョン、仮説、分析方法を決定する。【2024年8、9月】研究協力者の水野谷優氏と畠山勝太氏とキックオフミーティングを行い、第1プロジェクト「障害が乳幼児発達、教育成果に与える影響」の論文2本と、第2プロジェクト「障害以外の脆弱な状況にあることが発達、教育成果に与える影響」の論文2本のスケジュールと役割分担を確認し、それぞれの研究の使用データとリサーチクエスチョン・仮説をざっと確認する。【2024年10月】日本経済学会に参加し情報を収集する。【2024年10月~2025年3月】関氏と論文⑤のデータ分析を実施する。主に畠山氏と論文①「開発途上国において障害が発達、就学、学力・非認知能力に与える影響」のデータ分析を実施する。
|