Project/Area Number |
23K01426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
国枝 繁樹 中央大学, 法学部, 教授 (40304000)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 所得税 / 最適課税 / 税務データ |
Outline of Research at the Start |
本研究においては、我が国で初めて2200万人超の所得税の個票データを利用して、高額所得者を含む所得分布、課税所得の弾力性等を推計し、我が国の最適な所得税制のあり方を分析する。所得分布および課税所得の弾力性の推計に不可欠な所得税の個票データは、我が国ではこれまで利用できなかったが、研究代表者(國枝)の研究グループは、国税庁より初めて申告所得税データへのアクセスを認められた。本研究では、所得税の個票データを利用して、現在の所得分布や課税所得の弾力性を推計し、我が国における最適な所得税制を導出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、我が国で初めて2200万人超の所得税の個票データを利用して、高額所得者を含む所得分布、課税所得の弾力性等を推計し、我が国の最適な所得税制のあり方を分析する。所得分布および課税所得の弾力性の推計に不可欠な所得税の個票データは、我が国ではこれまで利用できなかったが、研究代表者(國枝)の研究グループは、国税庁より初めて申告所得税データへのアクセスを認められた。本研究では、所得税の個票データを利用して、現在の所得分布や課税所得の弾力性を推計し、我が国における最適な所得税制を導出する。 2023年度には、高額所得者を含む納税者の所得分析を行った。高額所得者の所得分布は、パレート分布に従い、パレート係数が所得集中の水準を示す。(同係数が小さいほど、所得集中が進んでいることを示す。)パレート係数は、所得税の個票データがあれば推計可能であり、同係数の推計により、個々の納税者のプライバシーを保護しつつ、所得集中の状況を把握でき、また最適所得税の導出にも利用できる。本研究の推計によれば、我が国のパレート係数は、過去と比較し大幅に低下しており、先行研究の主張と異なり、我が国においてもスーパーリッチ層への所得集中が進んだことが明らかになった。 2024年度には、高額所得者の所得分布の分析を進展させ、内外の学会での発表を行う。また、税務データの利用を認められた研究グループの共同研究者とともに、課税所得の弾力性の分析についても検討を進める。その後、所得分布のパレート係数および課税所得の弾力性の推計値を得て、Saez (2001)以降の最適所得税理論の枠組みを踏まえ、我が国における最適な所得税制を導出する。税務データに基づくエビデンスを踏まえて、我が国の所得税政策のあり方を考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度においては、研究実施計画どおり、所得税の税務データの整備等の準備を行った後、高額所得者の所得分布を中心に研究を行った。その結果は、国税庁税務大学校のディスカッションペーパーとして公表し、また、日本経済学会秋季大会および日本財政学会において発表を行った。具体的には、これまでの我が国における先行研究とは異なり、我が国においても、スーパーリッチ層への所得集中が進んでいることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においては、高額所得者の所得分布の分析をさらに進め、国際財政学会(IIPF)年次総会等の国内外での学会での発表を行う。高額所得者の所得分布のパレート係数の推計に加え、我が国の高額所得者の諸特徴についても分析を行っていく。また、課税所得の弾力性についても、税務データの研究グループの共同研究者と協力しながら分析を行っていくこととしている。その後、所得分布のパレート係数および課税所得の弾力性の推計値を得て、Saez (2001)以降の最適所得税理論の枠組みを踏まえ、我が国における最適な所得税制を導出する。税務データに基づくエビデンスを踏まえて、我が国の所得税政策のあり方を考察する。
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