Project/Area Number |
23K01430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 教授 (50273727)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 経済実験 / 社会的ジレンマ |
Outline of Research at the Start |
公害や共有資源、不況などにみられる社会的ジレンマ状況で、人々がどのような場合にどの程度状況の改善のために協調しようとするかを、社会的ジレンマ状況を再現した仮想の環境で参加者に実際に意思決定を求める、経済実験の手法をを用いて検証する。特に短期的な関係を擬するに適した離散時間実験と長期的あるいは仮想的な無限期の関係を擬するに適した連続時間実験を併用することで、主体同士の社会的関係性と、実現する協調の程度の関係を明確にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の研究を進めた。 1)本研究課題は過去に申請者が申請した科研(19K01705)と関連の強い範囲があるが、本年度はその範囲での研究を一旦結論づける、囚人のジレンマの連続時間実験における主体の戦略選択に関する検証のための実験を行った。無限期を仮定するならば社会的ジレンマにおいて協調的な戦略も選択されうることは理論的に示されているが、どのような戦略が具体的に選ばれるかは複数の均衡があるため明確ではない。一方で実験室で非常に長期の繰り返し実験を実際に行うのは困難を伴い、無限期は原理的には不可能である。本研究ではグリムトリガー戦略の有無に被験者の戦略選択を限定すれば擬似的な無限期が実現できることに着目し、被験者の選択として均衡戦略の一つとしてよく知られるグリムトリガーがどれほど採用されるかを検証している。 2)実験室で無限期を実現する方法として、次回があるかどうかを乱数で決める確率的終了という手段がしばしば用いられてきているが、これを用いても被験者は数回繰り返しがあると終わりを前提とした行動に切り替えてゆく。これは被験者が実験室実験が適当な時間内に終わるのを知っているためというのがもっとも一般的な解釈だが、終了確率が十分に低い場合でも顕著にその傾向は見られる。これは行動経済学が指摘する現実の確率と人々が主観的に持つ確率の乖離から生じていると考えられる。この点を明らかにし、乖離を減らす手段を探すことは今後の経済実験研究全体に資する可能性がある。この点についての文献調査と、これを検証するための実験設計、プログラムの作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)に関しては検証結果をより明確にするための追加実験の必要性を感じ、それを実施して十分なサンプルを集めるまでに年度末までかかり、結果の解釈と分析に至るまで順調とは言えなかった。 2)に関しては検証方法について実際に実験を行うまでに目的を果たすに十分な実験設計であるか熟慮する必要がある。現状の実験設計の実効性を改めて先行研究に照らして十分と言えるところには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)に関してはある程度のデータも揃ったため、検証結果を具体的で説得力のある論として組み立ててゆく作業が必要である。ある程度時間はかかるが、重要な過程であるため、慎重に進めてゆきたい。 2)に関しては予備実験の必要性があると考えている。また、直接関係する先行研究をまだあまり見つけられていないが、一部には経済学ではなく心理学の視点からの研究がある可能性があるため、こうした先行研究の検証も進めてゆきたい。
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