セーフティネットと自殺率:2000年代の緊縮政策とコロナ禍の政策に注目をして
Project/Area Number |
23K01442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
古市 将人 帝京大学, 経済学部, 准教授 (50611521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 道人 立教大学, 経済学部, 准教授 (10749162)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | セーフティネット / 自殺 / 地方財政 / コロナ禍 / 緊縮政策 / 財政再建 |
Outline of Research at the Start |
財政支出の拡充や削減が経済成長率や人々の健康などに与える効果について、様々な研究がなされてきた。本研究は2000年代とコロナ禍で実施された政策に注目をして、財政支出の変化が人々の健康や地域社会に与えた影響を分析する。そのために、まず、都道府県や市区町村単位の統計を収集し、分析に必要なパネルデータの構築を本研究では行う。次に、2000年以降に実施された政策の政治経済的背景を把握した上で、財政支出や公的なセーフティネットが地域の自殺率に与えた効果を、本研究では分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究1年目は、基本的なデータ整理と資料の収集、先行研究の整理・検討、若干の研究成果の公表を行った。 まず、1975年から1998年までの都道府県別の年齢別・性別の自殺者数のデータを収集・整備した。さらに、1980年、1985年、1990年、1995~1998年の市町村別・性別の自殺者数のデータを収集・整備をした。国勢調査の実施年を中心にデータを整備した。この作業の準備に大きな時間を要した。ただし、研究の過程で、本研究と関連する資料を発見することができた。また、地方財政統計のデータ整備を進めた。 さらに、本研究の予備的研究として、新型コロナウイルス感染症対策関連経費や2015年から2020年までの自殺率の変化を考察する成果(古市将人「自殺率の変化から考察するコロナ危機と財政の役割 : 2015年・2020年人口動態職業・産業別統計を用いた寄与度分解」)を雑誌『地方財政』に公表した。具体的には、全国レベルの人口動態職業・産業別統計を用いて、自殺率の変化の寄与度分解を試みた。ここでは、先行研究で使われている標準的な寄与度分解の手法を用いた。2015年から2020年までの自殺率の変化を産業別人口構成比と自殺率の変動に分解した。この手法を用いて、2015年から2020年までの自殺率の変化を検討した。2020年前後の財政支出についても検討した。 また、安藤道人(研究分担者)と金山隼人との共同研究において、コロナ禍におけるセーフティネット利用者の増加を検証する研究を行った。現在、本研究を英文査読誌に投稿するための準備をしている。本研究は、直接自殺率を扱った論文ではないが、セーフティネット制度と自殺率との関係の検討につながる研究である。その過程で、様々な先行研究のサーベイを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部を公表できたことは、一定の成果を得たといえる。本研究で扱う自殺統計の特徴などについて、様々な検討をすることができた。研究成果の一部を公表する際、これらの点を検討できたことは、本研究の準備作業に資するものであった。 ただし、本研究のメインテーマを扱うために必要なデータ整備に時間がかかってしまった。とはいえ、初年度において、基本的な分析をするためのデータを整備することはできた。また、以上の作業の過程で、様々な資料の所在に気がつくことができた。入手した資料などは次年度の研究に活かすことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、残された作業の実施、基本的なデータの検討、本格的な分析の開始、研究成果の公表を行う。 まず、市町村単位のデータ収集と整備を引き続き行う。特に、初年度に実施できなかった統計の収集、統計の整備とデータ入力の外注を行う予定である。 次に、収集したデータを分析可能な状態に整理する作業とデータのチェックを行う。「研究実績の概要」に書いたが、すでに一定のデータは収集している。それらのデータを分析可能なデータセットに整理する作業を行う。この作業が終了した段階で、基礎的な記述統計の確認を行う。 これらの作業と並行して、メインのリサーチクエスチョンである財政支出やセーフティネット制度と自殺率との関係を問う研究に必要な準備作業を進める。まず、2000年代と2020年代の地方財政政策に関する制度的歴史的背景を調査する。その上で、地方財政統計を整備する。初年度から、この作業に着手している。 当初予定していた分析が可能になった段階で、予定していた計量分析を実施し、その内容を検討する。ただし、分析を行う前に必要な検討作業を優先的に行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)