Project/Area Number |
23K01516
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
|
Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
松本 茂 城西国際大学, 国際アドミニストレーション研究科, 教授 (80772079)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 伸幸 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (90273755)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | M&A / スタートアップ / CVC / 企業戦略 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、イノベーション創出の停滞が指摘される成熟企業にいかなる成長モデルを提示すべきかを問い、その解をスタートアップM&Aから導く。 M&Aは技術提携やライセンシングと異なり、スタートアップを支配し自らの経営資源とする企業行動である。これは、社外の新たな技術やビジネスモデルを既存事業に搭載し、結び付けてイノベーションの創出を探る行動で、成熟企業がその内部から飛躍的な成長を実現する可能性を秘めている。一方で、この行動は既存組織との摩擦や矛盾を抱えることになり、スタートアップ投資の歴史が長い米国でも成功企業は少数である。スタートアップM&Aによる成長モデルを提示し、経営学研究への貢献を試みたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、本研究の基礎となる調査を行った。日本の有力企業100社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)設立に関するプレスリリースを収集し、各社のスタートアップへの投資方針を投資対象のステージ、投資の対象事業領域、そして投資リターン(事業および財務)に関するデータをもとに、日本のCVCの特徴について分析を始めた。また、スタートアップへの投資、買収を行っている成熟企業を対象としたマネジメントインタビューとCVCから出資を受けているスタートアップ創業者のマネジメントインタビューを行い、投資後の成熟企業とスタートアップの間の共創が現場でどのようにおこなわれているか、その状況と課題について調査を始めた。 ベンチャーキャピタル(VC)のイグジットの状況に関して、日本はSTARTUP DB、米国はNational Venture Capital Associationからデータの収集を行った。VCがイグジットを行う主な手段であるIPO(株式新規公開)とM&A(持ち分の事業会社などへの売却)の件数について米国と日本を比較したところ、2022年の米国VC投資のイグジットはIPOが36件、M&Aが1164件であった。一方、日本では、VC投資のイグジットはIPOが58件、M&Aが122件であった。米国ではM&Aによるイグジットの件数割合が97%と圧倒的に多い。米国のM&Aによるイグジット件数は2017年以降、毎年1000を超えており、事業会社がイノベーション創出にスタートアップM&Aを積極的に活用している様子が窺えた。 令和5年度は、日本経営財務研究学会第47回全国大会(2023年9月)で「スタートアップM&Aとバリュエーション」について講演を行い、また、日本経済新聞 やさしい経済学に企業の成長とM&A」をテーマとした連載寄稿(2023年12月)などを通じ、研究成果の発信を積極的に行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究の礎となるスタートアップ投資、およびイグジットに関する日米のデータ収集、また、スタートアップ投資を行う成熟企業および、CVCから出資を受けたスタートアップ創業者を対象としたインタビュー調査を始めることができた。来年度に向けて本研究課題に関する現状分析を整理できたことから、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、更にスタートアップM&Aに関するデータ収集を行い、定量分析と定性分析を進めていく。定量分析では、日本のCVCについて、投資先スタートアップの特許取得や自社による買収を含むイグジットについて調査し、投資の成果に関して分析を始める。また、今年度収集したデータをもとに上場後のスタートアップ企業の業績および株価パフォーマンスについて分析を始める。そして、スタートアップを買収した成熟企業および新興企業へのインタビュー、そして、事業会社にM&Aでグループインしたスタートアップへのインタビュー調査などの定性分析を行い、定量分析を補完していく。
|