Project/Area Number |
23K01527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山縣 正幸 近畿大学, 経営学部, 教授 (20368591)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | アントレプレナーシップ / 美学 / 詩学 / 企業者的想像力 / 企業者的過程 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アントレプレナー/アントレプレナーシップ実践を美学的な側面から明らかにすることを目的としている。アントレプレナーとは、現状を踏まえつつも、新しい将来の状態を構想し、それを具現化しようとする姿勢や企てのことをさす。そこには、それぞれのアントレプレナーの審美的・感性的な側面が含まれている。しかし、これまでの研究では、この側面がほとんど明らかにされてこなかった。 そこで、本研究を通じて、アントレプレナーシップ実践を美学的なアプローチから明らかにし、将来構想の形成とその具現化がいかにしてなされているのか、定性的な方法にもとづいて、その原理を探究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年6月には組織学会研究発表大会において「アントレプレナーシップへの美学的/詩学的アプローチの可能性」と題して、本研究にもとづく学会報告を実施することができた。ここでは、アントレプレナーシップ研究において、美学や詩学といったアプローチを採る研究についてのレビューをおこない、それらの意義や志向性について考察するとともに、そこから見出される将来的な可能性について明らかにした。本報告に際しては、フロアから複数の質問コメントを受けることができ、さらなる研究に向けた論点や方向性を見出すことができた。とりわけ、ロマン主義的な考え方の重要性や意義についての質問が複数出され、この点に関する考察が必要となることが浮き彫りになったのは、本報告の成果の一つである。
また、本研究の一環としてマンズィーニ著『ここちよい近さがまちを変える : ケアとデジタルによる近接のデザイン』の翻訳に共訳メンバーの一人として参加するとともに、本研究に立脚した研究成果をともなう解題文の執筆ならびに成果報告の機会を得ることができた。ここでは、他者への想像力に立脚したエコシステムの形成の重要性が浮上した。原著にはアントレプレナーシップの重要性への言及はなかったが、ケアを基盤におくエコシステムの形成に際しては、アントレプレナーシップが重要な意味を持ってくることも考察のなかから知見として得ることができた。
このほかにも、実際のアントレプレナー/経営者にインタビュー調査を実施することができた。この点は報告や論文にはまだ反映されていないが、本研究にとって有益な質的データを得ることができた。この点については、2024年度以降もさらに継続し、分析段階に進みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の2023年度において、学会報告1件と翻訳(共訳)刊行1件をおこなうことができた。学会報告においては、アントレプレナーシップをめぐる美学的/詩学的アプローチの展開と可能性について報告をおこない、フロアからも有益な質問やコメントをいただいて、本テーマの将来的な発展可能性を確認することができた。一方で、アントレプレナーシップ研究と美学、さらに詩学というそれぞれに蓄積の多い領域を架橋する研究であることも、あらためて明瞭になった。それゆえ、それぞれについての学史的考察が欠かせないことも研究すべき点として浮かび上がってきた。そのための文献収集をおこなうことができた。これらの文献に立脚した学史的考察は、2024年度以降の課題である。
また、何人かのアントレプレナーにインタビュー調査を実施することができた。この点に関しては初年度として必要な調査を行いえたが、なお足りない部分もある。これについて2024年度以降に、さらなる調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度におこなった学会報告にもとづく考察を論文化することが、2024年度以降の大きなポイントになる。2023年度の研究を通じて、アントレプレナーシップ研究、美学ないし詩学の研究それぞれの蓄積の厚さを整理することの重要性が明白となった。この点については、2024年度にあらためて考察をおこない、論文化を進めたい。
さらに、2023年度にも実施した実際のアントレプレナーへのインタビュー調査をさらに拡充し、企業者的想像力の実践的展開について質的データの収集に努めたい。
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