Project/Area Number |
23K01528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
細海 真二 活水女子大学, 健康生活学部, 教授 (50909273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 俊彦 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (20223018)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ベンチャーフィランソロピー / 財務・非財務支援 / 非営利組織経営学 / 支援プロトコル / フィランソロキャピタリズム / 関係性フィランソロピー / 非営利組織経営 / 社会的包摂 / ソーシャルビジネス |
Outline of Research at the Start |
現代社会に横たわるさまざまな課題に対してどのような方法論を用いて社会貢献型ビジネスが可能になるか解明することが求められている。本研究はビジネス志向の社会課題解決のフレームワーク構築を目的として、課題解決に取り組む企業やNPO/NGO等の非営利組織、ソーシャルカンパニーに対して財務、非財務支援を行うフィランソロピー財団による実践の動機、タイミング、手法を研究対象とし、ベンチャーフィランソロピーによる支援体制の一般化と支援プロトコルの確立を目指す。支援の担い手である非営利組織やソーシャルカンパニーへ研究領域を拡張し需給両者をつなぐフィランソロピー財団の透明性やガバナンンス確保等学術的拡張性を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
企業財団が社会問題解決に向けて行う財務、非財務支援の効果を分析し、支援プロトコルを確立することを目的とした。 当該年度研究の具体的内容は以下の通りである。①支援事例の全体像把握:シンガポールの企業財団と支援先のNPOを対象に、財務、非財務支援の事例を調査した。これにより、シンガポールの財団がどのような理念や動機に基づいて支援を行っているのか、またそのインプットとアウトプットの関係性を明らかにした。②行動メカニズムの分析:財団経営者や職員に対して半構造化インタビューを実施し、支援のタイミングや自己統制、自己効力感といった経営現象における行動メカニズムを分析した。この分析により、支援がどのように決定され、実施されるのか、そのプロセスを解明する道筋をつけた。③支援プロトコルの開発:調査結果を基に、財団が効果的にベンチャーフィランソロピーを行うための支援プロトコルを策定する準備を行った。このプロトコルは、財団の行動理念を基盤とし、社会問題など格差是正に向けた支援の具体的な方法を提供するものであり、シンガポールをはじめ各国で実行されている個別のフィランソロピー行動の理論的フレームワークの組成化に道筋をつける。 本研究の意義は、現代社会の様々な問題に対して、財団がどのように対応できるかを理論的かつ実践的に示すことを形式知として示す点にある。特に非財務的支援の重要性を強調し、それが事業者の専門性と戦略性を高める効果があることを明らかにしていく。財団の支援活動が単なる資金提供にとどまらず、より包括的で持続可能な支援体制を築くための指針となるものである。また、非営利組織経営学の分野において、ベンチャーフィランソロピーの支援メカニズムに関する新しい知見を提供し、学際的理論の統合を期していく。各国で展開される企業財団がより効果的な支援を行うための理論的基盤を強化することを目指すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、企業財団が社会問題解決に向けて行う財務、非財務支援の効果を分析し、支援プロトコルを確立することを目的としており、計画通り順調に進んでいる。その理由を以下6つの観点から説明を示す。 1.支援事例の全体像把握:シンガポールの企業財団と支援先のNPOを対象に、財務、非財務支援の事例を調査した。これにより、支援の理念や動機、インプットとアウトプットの関係性が明らかになり、次の研究ステップに必要なデータが収集できた。2.行動メカニズムの分析:財団経営者や職員への半構造化インタビューを通じて、支援のタイミングや自己統制、自己効力感に関する行動メカニズムを分析し、支援決定のプロセスを解明している。3.支援プロトコルの開発:調査結果を基に、効果的なベンチャーフィランソロピー支援プロトコルの策定準備を行っている。このプロトコルは、社会問題の解決に向けた具体的な支援方法を提供するものである。4.方法論の適切性:半構造化インタビューを用いた質的データの収集と分析により、支援活動の現実を詳細に把握し、信頼性の高いデータを得ることができた。この方法論の適切性が研究の進行を支えている。5.成果の明確性:支援のインプットとアウトプットの関係性が明確になり、支援決定の行動メカニズムが詳細に解明された。これにより、次の研究フェーズに移行するための基盤が整った。6.プロトコル開発の進捗:支援プロトコルの策定準備が順調に進んでいる。このプロトコルは、財団の行動理念を基に、各国で実行されているフィランソロピー活動を理論的に整理し、実践に移すためのフレームワークを提供するものである。 以上の理由から、本研究は計画通りほぼ順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策は以下の通りである。 1. さらなるデータ収集と分析:シンガポール以外の地域の企業財団の支援事例を追加調査し、異なる地域や文化の影響を考慮した包括的な分析を行う。これにより、支援プロトコルの汎用性と適用可能性を高める。2. 支援プロトコルの具体化と試験運用:策定中の支援プロトコルを具体化し、企業財団やNPOにおいて運用を行いたい。試験運用を通じて、プロトコルの有効性を検証し、フィードバックを基に改善を行うことを企図する。実運用から得られるデータは、プロトコルの精度向上に役立つものである。3. 関係者との連携強化:企業財団やNPO、政府機関との連携をさらに強化し、協力体制を整える。定期的なワークショップや会議を開催し、支援プロトコルの実践における課題や改善点を共有する。4. 学術的な知見の共有と発信:研究成果を学術界や実務界に広く共有する。学会発表や論文執筆を通じて研究成果を発信し、フィードバックを得ることで理論的な枠組みを強化する。研究成果に基づいたガイドラインやマニュアルも作成し、実務者に具体的な支援策を提供する。5. 長期的な影響評価:支援プロトコルの長期的な影響を評価するための仕組みを整備する。短期的な成果だけでなく、長期的な社会的インパクトを測定し、プロトコルの持続可能性と有効性を検証する。定期的な評価と見直しのプロセスを組み込み、継続的な改善を図る。6. 技術の活用:データ分析やプロトコルの実行において最新の技術を積極的に活用する。特にAI技術を導入し、支援の効果をより正確に測定・予測するシステムを構築する。これにより、プロトコルの適用範囲を広げ、より多くの社会問題解決に寄与することを期する。 これらの方策を総合的に実施することで、本研究の目標達成に向けた確実な進展を図っていく。
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