Project/Area Number |
23K01534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮尾 学 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80611475)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 実験 / イノベーション / マルチエージェント・シミュレーション / 人的資源管理 |
Outline of Research at the Start |
本研究では「企業がイノベーション実現を目指すにあたり,どのような人材マネジメントシステムを実現すれば,組織成員がより効果的に多くの実験に効果的に取り組むよう促すことができるのか」という問いに取り組む。実験とは意図的に設計された方法を用いてアイデアを試行・評価・改善することをいい,イノベーション実現には不可欠な活動である。本研究では,インタビューデータの分析による新たな概念構築と,質問票調査のデータを用いた仮説モデルの検証を組み合わせ,人材マネジメントシステムと実験促進の関係について詳細に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,実験を促進するマネジメントシステムのあり方を明らかにすることにある。この目的のため、2023(令和5)年度には,企業において実験に取り組んだ経験のある従業員を対象にインタビューを行い,実験と人材マネジメントシステムの関係に係るデータを収集した。 具体的には、関西地方の鉄道会社による新規事業開発に注目し、同社の展示会に参加して情報収集するとともに、同社取締役にインタビューを行い、その取り組みについての情報を得た。現在まで、そのデータ分析を進めているところである。 加えて、当初の計画にはなかったが、マルチエージェント・シミュレーションを用いた心理的安全性と実験の関係についての研究を新たに立ち上げた。マルチエージェント・シミュレーションとは、周囲の状況を評価・判断して行動を決定するエージェントをコンピュータ上の空間に複数配置し、エージェント間のミクロな相互作用からマクロな結果が創発的に導かれる様子をシミュレーションする手法である。本研究では、ゴミ箱モデルを組織内における実験行動のシミュレーションに応用し、実験を失敗した際に与えられるペナルティが実験の頻度にどのように影響するかを検討した。その結果、1)実験を失敗した際にペナルティを与えると、2)従業員のモチベーションが低下し、3)アイデアを試さずに棄却するようになる、というシナリオで心理的安全性と実験の関係をモデル化できることが明らかとなった。この結果は、神戸大学経営学研究科ディスカッション・ペーパー(No. 2024・04)にて報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023(令和5)年度には,企業において実験に取り組んだ経験のある従業員を対象にインタビューを行い,実験と人材マネジメントシステムの関係に係るデータを収集した。当初計画では、複数のインタビューを実施し、様々な実験についての訂正的なデータを収集する予定だったが、十分なインタビュー対象者を確保できず、想定していたデータを集めることができていない。そのため、Gioia法によるデータ分析も未実施である。 そのかわりに、多様な条件で実験行動を促進する要因を探索できる、マルチエージェント・シミュレーションの構築に取り組んだ。こちらは、心理的安全性と実験の関係を再現するシミュレーション・モデルを構築することができ、いくつかの成果を出すことができた。 以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024(令和6)年度には,引き続き、企業において実験に取り組んだ経験のある従業員を対象にインタビューを行い,実験と人材マネジメントシステムの関係に係るデータを収集する。こちらについては、いくつかインタビュー対象の候補を絞り込んでおり、計画的に実施する予定である。具体的には、見いだした要因,既知のイノベーションを促進する人材マネジメントシステム,従業員による実験行動の関係について仮説モデルを構築する。そのうえで,質問票調査を実施し,仮設モデルを検証する。 また、2024年度は、昨年度に構築したマルチエージェント・シミュレーションを用いて、心理的安全性と実験との関係についてより深い検討を行う予定である。こちらについては、2024年9月にドイツで開催されるCINetカンファレンスで報告する予定であり、海外の研究からのフィードバックを得て研究を進める予定である。
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