Project/Area Number |
23K01627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松井 剛 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (70323912)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本食 / 米国 / 脱エスニック化 / 文化社会学 / グローバル・マーケティング |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、米国における日本食の脱エスニック化というグローバル・マーケティング現象を文化社会学の観点から明らかにすることである。主要な問いは、(1)「かつて馴染みがなかった日本食が米国消費者に受容されるために、どのようなマーケティング努力が行われてきたのか?」と(2)「米国において、日本食と他の外国料理の境界はどのように変化してきたのか?」の2点である。本研究は、文化社会学の理論枠組みを外国文化製品の世界的な広がりに適用することを目指す。調査方法としては、①業界関係者へのインタビューと、②料理書やレストランのメニューなどの歴史資料の収集の2つの方法を組み合わせた混合アプローチを採用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、米国における日本食の脱エスニック化というグローバル・マーケティング現象を文化社会学の観点から実証的に明らかにすることである。学術的「問い」は、(1)「かつて馴染みがなかった日本食が米国消費者に受容されるために、どのようなマーケティング努力が行われてきたのか?」と(2)「米国において、日本食と他の外国料理の境界はどのように変化してきたのか?」の2点である。この問いに答えるための現地調査が2023年度に行われた。 まず4月11日から14日にかけてシカゴに滞在し、主要な日本食レストランの経営者や日系食品メーカーにインタビューに実施し、アメリカ人に日本食を紹介・提供する際に払われたマーケティング努力についての話を伺った。またシカゴ定住者会(Japanese American Service Committee in Chicago)のLegacy Center Directorのサポートを得て、日系移民、日系アメリカ人が日本食をどのようにアメリカの食生活に組み込んできたのか、ということに関する歴史資料を収集した。 同様に4月23日から5月2日にかけてロサンゼルスに滞在し、主要な日本食レストランの経営者や日系食品メーカーにインタビューに実施した。また、全米日系人博物館(Japanese American National Museum)の司書のサポートを得て、同博物館において保存されている歴史資料を収集した。 以上の調査は、ハーバード燕京研究所の客員研究員として滞米した際に実施した。2023年6月に帰国して以降は、アメリカで日本食を輸出したり日本食レストランを経営している方々にインタビューを行っており、調査は現在も継続中である。そのために9月6日から7日に福岡へ出張した。 その成果の一部は、10月23日にマーケティングカンファレンス2023(マーケティング学会)で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度では、東海岸、西海岸の各都市における現地調査を実施済みであり、2023年度には、それらを補完する形で、シカゴとロサンゼルスと現地調査を行うことができた。また在外研究が終了した2023年6月以降は、日本在住の業界関係者へのインタビューを実施することができた。これらの調査を経て、日本食関連ビジネスに携わる多くの方々や全米日系人博物館などの歴史アーカイブの管理者とのネットワーキングが実現した。こうしたネットワークは、今後の調査で活かされる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ハワイにおける現地調査を7月に実施する予定である。ハワイは、19世紀以降、多くの日系移民を受け入れてきた。中国や韓国、ポルトガル、スペインなど、ハワイは様々な国からの移民を受け入れてきたため、各国の食文化が融合し、それにより、ハワイでは日本食が独自の進化を遂げた。例えば、サイミンと呼ばれる麺料理は、中華系移民が持ち込んだものだが、日系移民の間でも食されるメニューとなった。こういったハワイにおける日本食の歴史を明らかにするために、1981年に日系移民が創業したサンヌードルなど食品メーカーや日本食レストランに対するインタビューを実施する。また、ハワイ大学のアーカイブなどで歴史的資料の収集も行う。帰国後は、過去の調査結果も合わせて、データの整理・分析を進めて、研究書の草稿の執筆に取り組む。
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