Project/Area Number |
23K01639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高橋 広行 同志社大学, 商学部, 教授 (00580325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祥司 摂南大学, 経営学部, 准教授 (70704922)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | エンゲージメント / アプリ / 態度的ロイヤルティ / 行動的ロイヤルティ / Z世代 / 価値観 / ブランド / 消費者行動 / 行動データ |
Outline of Research at the Start |
本研究は,消費者とブランドとのかかわりである「エンゲージメント」を行動的な指標で捉える研究と,心理的な指標(尺度)の研究で別々に進んできた両者を統合することで,エンゲージメント概念を包括的に理解するものである。近年,アプリを中心とした多様なタッチ・ポイントを通じて,消費者の「いいね!」「フォロー」「コメント」などが可視化できるようになり,エンゲージメントの研究が急速に増加している。しかし,このエンゲージメントの研究は,行動面と心理的視点で別々に進んでいる。そこで本研究は,この両者を統合した分析を通じて,エンゲージメント概念を包括的に理解することで,ブランド・マネジメントに貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今回のプロジェクトはエンゲージメント研究を対象に,その心理データと行動データの突合にある。この関連性を測定するために,実際の食料品企業との共同研究を通じて,アプリに対するデザイン的な要素を測定しつつ,心理的なエンゲージメント,態度的ロイヤルティ,行動的ロイヤルティなどの心理的データの尺度の測定,およびアンケートに回答した会員の購買履歴データとを突合していくことで,心理面と行動面の関連性を分析した。 分析には,アプリ会員の購入頻度,購買点数などの履歴データを行動的変数として用い,心理データはアプリ会員に対してプッシュ通知を行い,量的調査を実施,回収の結果,不備なサンプルを除いた2万7千件ほどのデータを分析対象とし,分析を進めた。その結果,アプリのデザイン性の要素がエンゲージメントを高め,それが態度的・行動的ロイヤリティ,行動履歴にどのように影響するのかということを明らかにした。この一連の研究成果は日本マーケティング学会の発表,および,その後の査読付きの『マーケティングレビュー』にも掲載された。 さらに,モバイルアプリをよく活用しているZ 世代に注目し,その特徴や意識を明らかにしようと試みた研究も行ってきた。購買行動や価値観に関する測定尺度を設計し,他の世代との比較や Z 世代の未成年層(ヤング Z)と成人層(シニア Z)の比較を行った。特に,比較世代よりも,サブスクリプションやシェアリング・サービスなどのリキッド消費意識が高く,推しの存在や他人との繋がり,多様性についての意識も高く,SNS を通じた世界観や承認を重視する傾向が伺えた。また,モノに対する愛着も強いことが明らかになった。以上の研究を通じて,消費行動・購買行動を含めエンゲージメント研究を推進してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している。 上記で示したように,今回のプロジェクトはエンゲージメント研究を対象に,その心理データと行動データの突合にある。この関連性を測定するために,実際の食料品企業との共同研究を通じて目的のデータを入手し,測定,分析ができたことで研究を通じて心理面と行動面の関係性が明らかになった。現在も継続した調査を実施しておりデータは取得した。これから分析に入る予定にあり,概ね順調に進んでいる。なお,アパレル企業との共同研究も進んでおり,ファッショに関する行動データと心理データを同時に分析する機会も得られる予定もある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は第2回目の調査として,上記の食料品企業の共同研究先と協力しながら,ほぼ一回目と測定内容を大きく変えずに,実施している。 2回目の調査結果で,一年前と今回とで,回答データに違いがないか,デザイン性の要素がどのような影響として変更したのか,あるいは,エンゲージメントが態度的ロイヤルティに影響するのか,行動的にどう変わったか,などの変数間のデータ分析を行っていく予定にしている。データ自体はクロス集計まで現時点で行っており,これから先の期間においてさらなる分析を深めていく予定である。
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