Project/Area Number |
23K01669
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三輪 一統 大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (00748296)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 会計学 / 財務会計 / ディスクロージャー / 製品市場競争 |
Outline of Research at the Start |
近年,価値創造のドライバーとしての知財・無形資産の重要性が高まっているなかで,企業による知財・無形資産の投資・活用が不十分であること,および現行の会計制度のもとで,知財・無形資産についての十分な情報が企業サイドから提供されているとは言い難いことなどが課題として指摘されている.本研究では,技術市場および製品市場におけるライバル企業との相互作用を考慮し,情報開示が企業の知財・無形資産の投資・活用戦略にどのような影響を与えるのか検討することを通じて,より社会的に望ましい会計制度・情報開示制度を探求する.
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Outline of Annual Research Achievements |
企業が競争優位を獲得・維持し,価値を創造していくうえで,知的財産(知財)をはじめとする無形資産の重要性がますます高まっていることが各所で指摘されているなかで,企業の知財・無形資産をめぐる現状の課題は,(1) 知財・無形資産への投資およびその活用が不十分であること,(2) 関連する情報が企業サイドから十分に提供されているとは言い難いことがあげられる.本研究の目的は,知財・無形資産への投資やその活用の促進,および,投資家等の情報利用者にとっての有用性向上という観点から,どのような会計制度・情報開示制度が望ましいのかについて検討することである. 初年度となる2023年度では,主に,情報開示が知財・無形資産の投資・活用戦略に与える影響について理論的に考察することに取り組んだ.知財・無形資産に関する情報が十分に提供されていないからといって,単に規制等の手段を用いて企業サイドからの情報開示を充実させることが,必ずしも望ましいとは限らない.なぜなら,企業の競争力の源泉である知財・無形資産についての詳細情報を公的に開示することは,ライバル企業の戦略的な反応を誘発し,情報を開示した企業に競争上の不利益を生じさせる可能性もあるからである.この点について理解を深めるために,製品市場における競争とイノベーションの開示との関係を分析し,どのような条件のもとで,イノベーションを実現した企業がその成果を公的に開示するインセンティブを有するのかについて検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,当初予定していたとおり,情報開示が知財・無形資産の投資・活用戦略に与える影響について,製品市場における競争とイノベーションの開示との関係という観点から理論的な分析をおこなった.得られた分析結果は,先行する実証研究の結果と整合的であり,実証研究に対して1つのフォーマルな説明を提供したという点で,一定の意義があると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載した分析については,研究会や学会で報告をおこない,他の研究者から多くの有益なコメントを得ることができた.まずはそれらのコメントを反映させ,早い段階でジャーナルへ論文を投稿する.また,次のステップとして,他社への技術移転やライセンスといった,技術市場の論点も考慮に入れた分析へと展開していきたい.
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