Project/Area Number |
23K01676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
辻川 尚起 兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (50346631)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 適用後レビュー / PIR / 会計基準設定 / 会計基準の適正手続 / デュー・プロセス / 会計基準の適用後レビュー / 会計基準のPIR / 会計規制 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,会計基準の適用後レビュー(PIR)について,制度設計の国際比較,実施例の具体的検証,追加的実証研究を実施するものである。 R5年度は3つの研究目的のうち,(1) 会計基準設定主体における適用後レビュー過程や制度比較を行い,研究の全体構成と各論の理論的・制度的な基礎研究を実施する。R6年度は,3つの研究目的のうち,(2)公正価値測定(IFRS13),連結財務諸表(IFRS10)の具体的な内容とその妥当性に関する基礎研究として,リサーチデザインの確定とデータベースの構築を行う。R7年度は,3つの研究目的のうち,(3)追加的な実証研究などを行い,成果報告と論文執筆を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,会計基準設定のデュー・プロセス(適正手続)において,会計基準が適用されて以降にいかなる影響が及ぼされたかに関する事後的な効果・影響の分析・測定のために実施する適用後レビュー(Post-implementation Review)に関して,導入過程の歴史的背景や現行規定の特性と問題点等の国際制度比較と影響要因の分析,実施された適用後レビューの具体的な内容の再検討,追加的な実証研究を行い,適用後レビューを未実施の会計基準設定主体への含意を探ることである。 そのための具体的課題として,R5年度は,課題研究目的の全般に対して,会計基準設定主体における適用後レビュー過程や制度比較を行い,研究の全体構成と各論の理論的・制度的な基礎研究を実施するために,資料収集とリサーチデザインの確定を中心に取り組んだ。 また,具体的な研究進捗テーマとして,主にアメリカのFASB・GASB,国際基準の設定主体であるIASBにおける適用後レビューのプロセスや制度比較の分析に焦点を当てた。その中でも,(1) FAFによる適用後レビューのルール・ブックである「FAFの適用後レビュー・プロセスの説明」の歴史的変遷と改訂内容の比較分析,またオーストラリア,カナダ,日本などの制度の概要把握,(2) アメリカやIASBなどの「公正価値測定(FAS157,IFRS13)」,「連結財務諸表(FAS160,IFRS10)」の適用後レビューのプロセスのうち,とりわけIASBのIFRS13およびIFRS10に重点を置きながら,2つの論点に集中的に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「5.研究実績の概要」で述べた通り,R5年度は,主にアメリカのFASB・GASB,国際基準の設定主体であるIASBにおける,適用後レビューのプロセスや制度比較の分析に焦点を当てた。3年の研究期間に広くかかわる資料収集と分析をすすめ,基礎研究を行い,R6~7年度の研究成果公表を目途に研究を進めている。 適用後レビューの手続やプロセス,また,適用後レビューの具体的な事例研究に対して,研究費申請時点での想定をこえる資料量があり,当初の予定より時間がかかったため,「やや遅れている」との判断に至った。 具体的には,下記の2つの論点について文献資料収集と分析・考察をすすめた。 第1に,アメリカのFASB・GASB,国際基準の設定主体であるIASBにおける適用後レビューのプロセスや制度を検討し,制度比較のためこれに加えて,オーストラリア,カナダ,日本(ASBJ)における適用後レビューのプロセスや具体的なルールとの比較を行った。それらでは,適用後レビューのプロセスや手続ルールにおいて異同点が多く確認され,単純な比較にとどまらず,会計制度の社会的・文化的文脈や背景をあわせて検討することが重要と結論付けた。 第2に,FASBとIASBの公正価値測定,連結財務諸表の適用後レビューを比較するため,後者IASBのIFRS13およびIFRS10について検討した。研究期間の時間的制約のため,前者アメリカFASBによるFAS157およびFAS160に関する検討は,次年度R6年度に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,以下の予定で研究を進めていく予定である。まずR5年度に行った基準設定主体間の制度比較に関する研究に関して,研究成果報告および研究論文の執筆公表により,成果の取りまとめの一部とする予定でいる。 また,R6年度を中心に本研究の3つの課題のうち,課題(2) 公正価値測定(FAS157,IFRS13),連結財務諸表(FAS160,IFRS10)など適用後レビューの具体的な内容とその問題点に関して,さらに検討を進めるとともに,その妥当性に関する再検討を行う。加えて,オーストラリア,カナダ,日本など,他国との比較を行うため,会計制度の社会的・文化的文脈や背景に関しても関連研究のサーベイを進めたい。 本研究ではこれらの重要課題に対して,行政手続論,政策過程論,政策評価論,行政評価論など隣接する社会科学分野の見地から規制や基準の設定過程や規制実施後の政策評価に関する関連研究を援用して会計基準のデュー・プロセス,とりわけ適用後レビューのあり方へのインプリケーションを探りたい。 また,今後,実証研究の財務データベース作成の基礎データとなる,データベース作成用財務データCD-ROM・東洋経済新報社と株価CD-ROM版を購入する。会計基準の他,政策評価論,政策過程論,公共選択論,法と経済学などの文献資料購入する。さらにR6,7年度に,国内文献資料収集(国立国会図書館東京本館・東京,日本証券経済研究所証券図書館・東京,公益財団法人日本税務研究センター図書室・東京),学術研究集会での研究成果発表を行いたいと考えている。
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