Project/Area Number |
23K01684
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大浦 啓輔 立命館大学, 経営学部, 教授 (20452485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 物流コスト / 物流コストマネジメント / デジタル技術 / デジタル化 / KPI / マネジメント・コントロール / サプライチェーンマネジメント / サードパーティ・ロジスティクス / logistics / cost management / digitalization / supply chain management / digital |
Outline of Research at the Start |
物流を取り巻く社会経済的な環境は急速に変化している。従前から指摘されてきたトラックドライバー不足や温室効果ガス排出量等の問題に加え、コロナ禍における電子商取引の需要増加、燃料価格の高騰、災害リスクへの対応など、わが国の物流事業の課題は山積している。また、国土交通省は2021年から2025年度における総合物流施策大綱の柱の一つに物流デジタル化(いわゆる物流DX;Digital Transformation)の強力な推進を掲げている。本研究では、こうした物流デジタル化を背景として、デジタル技術の活用が物流コスト管理やサプライチェーンマネジメントに対してどのような影響をもたらすのかを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年発展しつつある物流デジタル化を背景として、デジタル技術の活用が物流コスト管理に対してどのような影響をもたらすのかを経験的に解明することを目的としている。物流を取り巻く社会経済的な環境は、コロナ禍およびデジタル化の中において、急速に変化している。従前から指摘されてきたトラックドライバー不足や温室効果ガス排出量等の問題に加え、コロナ禍における電子商取引の需要増加、燃料価格の高騰、災害リスクへの対応など、わが国の物流事業における社会経済的な課題は山積している。こうした実態を改めて確認し、その実務面および学術面における研究意義を一層深めるために、初年度は関連する文献レビューを実施した。 レビューの結果、以下のような指摘ができる。第一に、実務雑誌を中心として物流に対する問題やその解決を探る議論は多くあるものの、物流コストに関しては従前までの議論からの大きな進展が見られない状況にある。また、第二に、物流オペレーションでのデジタル技術の活用は実務的な文献で頻繁な指摘があるものの、学術雑誌および実務雑誌のいずれもマネジメントレベルでの技術活用についての議論が今後必要だと指摘できる。 第三に、政府主導で検討されつつある物流統括管理責任者の設置が今後進むことが予想されるが、CLOの役割や権限、さらにはどのようなマネジメント・コントロールが実施されているかについて、の検討が物流コストマネジメントの一領域として必要であることが指摘できよう。関連して、サードパーティ・ロジスティクスの視点から見たときに、組織間(すなわち荷主および物流事業者間)のマネジメントコントロールに物流コストの測定と管理がどのように関連しているのかを検討する必要がある。このような意義のもと、経験的研究を進めていく必要性を改めて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究プロジェクトの研究計画に基づいて、おおむね順調に進展していると考えている。初年度は、文献レビューを行うとともに、現在のわが国における実務的あるいは社会的な問題意識と意義を改めて確認することができた。そして、次年度以降に実施する経験的調査の基礎を固めるとともに、その実施準備を行うことができた。このことから、上記の通り、おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、経験的な研究プロジェクトの段階として、郵送質問票調査およびフィールド調査を実施する計画である。とくに次年度は、質問票調査を実施し、それに引き続く形で企業へのヒアリング等を行い、フィールド調査へと展開していくことを予定している。 また、質問調査票の開発にあたっては、今年度実施した文献レビューの内容を当初計画における調査設計に加味することによって、より実務的・社会的な意義を有する調査となるべく実施したいと考えている。特に、当初計画では、デジタル技術を活用した物流コスト管理を有効にすすめるための促進・阻害要因を、①会計的側面、②組織的側面、③システム的側面から捉えることを意図していたが、文献レビューの結果これらの3側面の重要性を改めて確認できたことから、当初計画通りに実施する。ただ、今年度の研究実績でも述べた通り、政府方針によって多くの上場企業では物流統括管理責任者となるべきCLO設置についての検討が進められていることが予想されるため、こうした点を組織的側面に加えるなどの微調整を行う予定である。
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