Project/Area Number |
23K01702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
吉田 和生 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30240279)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 新型コロナウイルス / 減損会計情報 / 将来業績 / 株価 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、新型コロナウイルス感染症が企業業績にあたえる影響について減損会計情報を中心に分析する。新型コロナウイルス感染症は企業業績にどのような影響をあたえていたのか。会計情報として減損会計情報が公表されていたが、実際の企業業績とはどのような関係であったのか。また、株式市場では減損会計情報をどのように評価していたのか。本研究では、コロナ禍における減損会計情報について解明する。コロナ禍という特別な状況下において、将来キャッシュフローの低下を適正に見積りして伝達するという減損会計の目的にあった会計実務がおこなわれていたのか否かについて明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては企業行動を中心とする先行研究について調査した。新型コロナ感染症のようなマクロショック時における企業の利益管理についても研究が行われている。例えば、リーマンショック、自然災害、2014年石油価格ショック、中国の経済政策リスクについて、企業の利益管理行動が解明されているが、それぞれの結果は様々であり、一貫した傾向は確認されていない。新型コロナ感染症についてはJordan et al.(2021)はアメリカ企業の利益管理について検証している。企業の利益分布からは利益管理がコロナ禍において増加していることは確認できなかった。また、Hsu and Jan(2023)はアメリカ企業の利益管理行動について、NewEconomy企業(PC、ソフトウエア、製薬、電機、通信)とOld Economy企業に分類して分析している。Old Economyの損失企業では2020年においては裁量的発生高(DA)が減少し、2021年においては増加している。また、当該企業の利益の価値関連性が低いことも明らかにしている。 また、リスクの増加に対する企業の対応についても分析が行われている。例えば、Qin et al.(2020)は上海・深セン上場企業を対象に現金保有比率について分析している。将来業績が悪化すると見込まれるため、当該比率が増加していることを明らかにしている。また、Boumlik et al.(2023)やCejnek et al.(2021)では配当政策について分析している。コロナ禍において配当(特に現金配当)を抑制しており、負債が多いリスクのある企業ほどその傾向が強いことを示している。こうした研究が行われているが、コロナ禍における減損会計を直接分析した研究は行われていない。本稿では減損会計に焦点を当てて、将来業績との関係及び株式市場の評価について分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は新型コロナウイルスによる企業の会計行動への影響について先行研究の調査を行った。こうした研究は国内外で急速に展開されており、本研究のベースとなる。 2024年度以降においては、市場評価に関する先行研究を調査しつつ、仮説の提起やデータ分析を進めることを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度においては、新型コロナウイルスが2023年5月8日に5類感染症に変更されるまでの期間を通して、様々なデータを整理する。この整理によって5類に移行するまでの約3年半における当該感染症の全体像を明らかにする。 また、新型コロナ感染症に対する金融庁や日本公認会計士協会の対応状況について整理する。決算期日の延期や会計上の見積りについて、様々な対応を実施された。これらの制度的議論を行う。 そして、データ収集を行い、パイロットテストを実施する予定である。本研究では「減損損失の決定要因」、「減損損失と将来業績の関係」、「減損損失の市場評価」の3点について分析する。それぞれについてコロナ前の期間とコロナ禍の期間を比較して、コロナの影響を明らかにする。
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