公立病院による地域医療への貢献度に関する実証分析-非財務指標を用いた評価-
Project/Area Number |
23K01718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
景山 愛子 広島国際大学, 健康科学部, 講師 (40614037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 行成 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (90389122)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 公立病院改革 / 地域貢献 / 非財務指標 / 地域医療 / 独立行政法人 / 財務健全性 |
Outline of Research at the Start |
近年、厳しい国家財政を背景に、不採算となりやすい政策医療を担う公立病院に対し、経営改革が進められている。本研究は公立病院改革が、地域医療や他の地域の医療機関に与える影響を、様々な指標とインタビューを用いて検証していく。医療の機能分化が進む中、地域医療は、複数の医療機関が有機的に連携することが求められている。公立病院改革により、公立病院の経営状況が改善しても、他の医療機関へ負の影響を与えるような改革は社会的に評価されるべきものではない。本研究は、地域医療に対する公立病院の貢献をより広い視野から様々な尺度により評価し、今後の公立病院のあり方に対して新たな知見を見出すことを最終的な目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究期間の1年目であり、公立病院改革による公立病院の行動変容について、周辺の医療機関、そして地域の医療水準にどのような影響を与えるのかを、財務指標や医療の質を表す非財務指標を用いて地域社会への貢献度を検証することを目的としていた。その点を踏まえ、まず近年のコロナ禍における公立病院の地域における貢献度を検討することに着手し、地域の国公立病院の割合が高いほど、人口当たりの新型コロナウイルス感染症による死亡者数は有意に低下することを示し、地域の医療提供体制において国公立病院の割合が一定以上必要であるという示唆が得られ、論文作成及び論文誌掲載という成果を得ている。 また、公立病院を含む医療機関全般の地域への貢献は幅広い定義が可能であり、医療の質を表す非財務指標だけでなく、その貢献度を測定するための多様な非財務指標の特定が将来的に必要であると考えている。このことを踏まえ、公立病院の地域への貢献は第一に地域医療に対するものであること、そして地域に根付く公立病院としての付随的な貢献として、地域環境を医療機関の立場から良くする行動や取り組みに区分した場合、その後者について採用可能性のある評価尺度について、例えば、Sustainable Development Goals(SDGs)やCorporate Social Responsibility(CSR)などの取り組みを参考にして、様々な地域貢献に関する評価尺度について予備的な調査を行うことができたことも論文の投稿及び論文誌掲載という成果につながっている。 更に今後は一定の地域における医療機関間の影響を明らかにすることを目的としていることを踏まえ、各所に対し情報提供を依頼するための調整も着実に進んでいることから、翌年度以降にはデータセットが可能となる見通しで、研究の進捗は順調であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に述べたとおり、直近の公立病院のコロナ禍における地域医療への貢献については一定の成果が得られており、今後は次のステップとして、地域を広島県に限定して、公立病院改革の影響を公立病院を中心とした地域医療と財務状況において明らかにすることを予定しており、必要な情報収集を目的とした各病院との調整も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度にコロナ禍における公立病院の地域における役割や意義を確認したところを、更に年齢調整、所得調整などのデータ補正を行い、パンデミック下での公立病院の存在意義について統計的に検証したいと考えている。またそれに付随して、都道府県データの追加(ワクチン接種率など)を検討し、コロナ死亡率の要因解析をより精緻化していきたいと考えている。また、感染率の低い地域と公立病院改革の関係性の詳細な調査や各地域の公立病院改革の内容の調査と医療水準のデータの収集を行う予定であり、更に、類似研究のサーベイを行い、統計分析手法の検討も行う。 将来的には研究対象とする地域を広島県に限定し、公立病院改革を要因として、公立病院の経営状況が地域にどのように影響を及ぼすかを明らかにするために、その前提として、まずは公立病院の財務状況の変化や影響、そして、公立病院の経営状態を評価する非財務指標を抽出し、それらの指標に見られる変化や影響について、公開されているデータもしくは非公開のデータ(インタビューの実施や医療機関に情報提供を依頼の上、データを調達する)を活用して、公立病院の地域医療への貢献度を評価するためのデータセットと分析を進めていく。また、新たな視点として、2023年度の研究実績に含まれている、地域に根付く公立病院としての付随的な地域貢献として、地域環境を医療機関の立場から良くする行動や取り組みを評価する側面にも着目し、公立病院の地域との共生について、公立病院改革を通して、幅広い視点から地域への貢献度を評価する仕組みについても検討を加えたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)