Project/Area Number |
23K01733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 典史 東洋大学, 社会学部, 教授 (50633517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡井 宏文 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (10704843)
白波瀬 達也 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40612924)
荻 翔一 東海大学, 文学部, 日本学術振興会特別研究員 (00894552)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 宗教 / 移民 / 多文化共生 / 高齢化 / 葬送 / 墓地 / 看取り |
Outline of Research at the Start |
現在、ニューカマーと呼ばれる人々も、高齢化が進み世代交代が生じている。それにもかかわらず、仕事や子育てから離れた高齢層の移民たちの生活状況や意識に関する研究が進んでおらず、彼ら/彼女らと宗教との関わりも明らかになっていない。そこで本研究では、信仰をもつ高齢移民たちの生活、終末期、葬儀や墓への埋葬などの諸課題(生活課題)と宗教との関わりについて、ライフヒストリーの分析を中心にして実態解明することを研究目的とする。そして、高齢移民やその家族が抱えている諸課題に向き合う支援の現場にも貢献しうる知見を提出することもめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は各メンバーが担当する研究テーマに取り組んだほか、共同調査やシンポジウムを実施した。高橋典史は、本研究課題の全体を統括しつつ、地域社会における諸宗教と多文化共生との関わりについての研究を進めた。具体的には大分県のイスラーム墓地建設をめぐる問題、長崎県における外国籍住民支援の取り組みと宗教の関与、関東圏・東海圏の外国籍住民の集住地域における地域課題と宗教状況等に関する現地調査を実施した。岡井宏文は、具体的には、関東・東海地方に位置するモスクやイスラーム団体による、ムスリムの高齢化や死への対応状況(具体的な対応のあり方、埋葬地選択の実態や選択に介在する要因など)や課題について調査を行った。白波瀬達也は、主に外国人労働者を取り巻く状況について文献調査、専門家との研究交流、実地調査をおこなった。文献調査の成果の一部は紀要に書評としてまとめた。また専門家の研究交流の具体的な方法として2024年1月に安里和晃氏(京都大学大学院)の報告と討議を実施した。群馬県下のカトリック教会と介護事業所を視察し、外国籍信徒の信仰生活及び高齢生活の課題を把握した。荻翔一は、主に韓国系のニューカマーに対するインタビュー調査を行った。カトリック等の信仰を持つ者に対しては高齢化や死に際して、自身の信仰を踏まえた対応の在り方を、特定の信仰を持たない者に対しては儒教式の祖先祭祀の実施状況や墓の問題等について話を伺った。なお、韓国系ニューカマーと国際結婚した日本人についても上述した点について補足的にインタビュー調査を実施した。これらの成果の一部はコラムで報告した。こうした調査の研究成果の一部を、各メンバーが学会報告や学術論文等として発信したことに加えて、公開シンポジウム「多様化する日本社会における老いと死:弔いと埋葬を巡る共生を考える」(2023年9月、東洋大学)も開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究メンバーは、担当する研究テーマについての調査研究を進めており、学会報告や学術論文等の成果発信も行っていることから、当該の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
高橋典史は、本研究課題の全体統括として、研究会の開催や共同調査の実施等をオーガナイズすることに加えて、関東圏の外国籍住民の集住エリアを中心として、外国籍住民の高齢期におけるケア、死後の弔いや埋葬などへの諸宗教の関わりの調査を進める。また、外国籍のインフォーマントの母国における現地調査も見込んでいる。岡井宏文は、モスクやイスラーム団体を対象とした高齢化・死への対応状況の事例収集に努める。関東・東海地方をはじめとするムスリム集住地域のほか、ムスリム非集住地域ないし近傍にムスリム墓地がない地域の事例にも注目する。くわえて、個人を対象としたインタビュー調査を進める。対象者のライフヒストリーを伺うとともに、高齢化や死に対する意識の実態把握に努める。白波瀬達也は、カトリック教会をはじめとする宗教施設を軸に外国籍住民の高齢化・死への対応状況の事例収集に努める。対象者のライフヒストリーを伺うとともに、高齢化や死に対する意識の実態把握(高齢期の生活、看取り、葬儀、埋葬地の選択等)に努める。荻翔一は、韓国系の移住者に対するインタビュー調査を実施する。特に、日本で生まれ育った在日コリアン二世、三世に対しても高齢化や死に関わる諸問題の対応の在り方について聞き取りを行うことで世代間での意識の差異についても捉えたい。また宗教組織(プロテスタントやカトリック)が移民の高齢化や死に対していかなる対応を行っているのかという点についてもインタビュー調査や文献調査を行い、実態把握に努める。以上の調査研究の遂行に加えて、各メンバーは学会報告や学術論文等による成果発信を行っていく。
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