Project/Area Number |
23K01740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
五十川 飛暁 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (00508351)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 不確実性 / リスク / コモンズ / 生活意識 / 空間管理 / 空間の重層性 / 空間の可変性 |
Outline of Research at the Start |
不確実性を増す地域空間をどう管理していくのかが、現在、喫緊の課題となっている。では、実際に地域社会の人びとは、身近な空間をめぐってどのように不確実性に対処してきた/いるのだろうか。地域生活という視点から、これまでのコモンズ論や村落研究の成果に批判的に学びつつ、フィールドワークによる「不確実性を内包した人びとの選択」の検討を通じて、地域社会の空間管理に新たな選択肢を提出することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域社会の人びとが身近な空間をめぐってどのように不確実性に対処してきたのかの検討をもとに、地域社会の空間管理に新たな選択肢を提示することを目的にしている。初年度である本年度は、まずはいくつかの事例地を選定しながら、それぞれの事例地が置かれた状況について、とくに地域空間におけるオーバーユースをめぐる歴史やアンダーユース等をもたらした変化に注目しながら確認する作業を進めてきた。また、本研究において軸とする不確実性という概念について、これまで社会学分野や経済学分野で検討されてきたリスクをめぐる議論を中心としながら、整理と検討をはじめた。他方、研究成果をひとつまとめることができた。具体的には、事例地に位置する河川敷をコモンプール資源として捉えたうえで、地域コミュニティにおける利用のされ方と環境の変化に対する対応を分析するなかから、その政策的可能性を検討した。従来、コモンプール資源をめぐる政策的対応としては、管理制度の精緻化と一般化をつうじて資源の状態や機能を維持することが目指されてきた。だが、調査の結果、事例地の河川敷においては、コモンプール資源でありながらも、時々の状況に応じて、その状態や機能が更新されつづけてきたことが明らかとなった。そこから、身近な空間を固定化していくような従来の政策の立て方について再考する余地があることを提示するとともに、現場の地域空間に実際にかかわる人びとの認識に着目する必要があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備的調査としての位置づけではありつつも、フィールドワークおよび文献収集について、ともに順調に進めることができた。また、本研究テーマにかんする成果をひとつ、公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、初年度の調査を足がかりにして、データをより充実させていくことを目指して研究を進める。具体的には、本年度に引きつづいて文献資料の収集をおこなっていく。地域空間の管理にかんする政策論や地域空間の歴史的な位置づけに注目した諸研究、不確実性やリスクをめぐる議論、またコモンズ論について、適宜、その整理と検討をおこなっていく。他方、事例地におけるフィールドワークについては、地域社会における身近な空間とのつきあいやその変化について、事実レベルのデータの蓄積を重視しつつ、文書収集および地元の人びとへの聞き取りを進めていく。とともに、最新の情報を探るべく、関連する学会や研究会にも積極的に参加していく。
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