Project/Area Number |
23K01768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡村 利恵 埼玉大学, その他部局等, 准教授 (30826607)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 女性管理職 / リーダーシップ / ガラスの崖 / 報酬 / 組織 / ジェンダー / ワーク・ライフ・バランス / 社会関係資本 / リスク / 男女差 |
Outline of Research at the Start |
現在、日本企業も成長と技術革新のための多様性を重視し、またESG投資の急成長という追い風もあって、国内でも女性管理職を増やすために様々な取組を行っている。そうした状況下で「ガラスの天井」についてはいくらか克服が進んでいるものの、その先にある「ガラスの崖」についてはその存在そのものについて理解が進んでいないため、実証データに基づく学術的知見からその詳細を明らかにし、さらには打開策を提示する必要がある。 以上をふまえて、「欧米とは異なる組織文化を持ち、管理職への女性の登用が進む日本の企業で、『ガラスの崖』はどのようなメカニズムで生じているのか」を本研究課題の核心をなす問いとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、International Leadership Associationの年次大会に参加した。この大会を通じて、北米におけるリーダーシップ研究がアカデミアのみならず、ビジネス分野においても急速に発展していることを把握することができた。特に、ダイバーシティがリーダーシップ研究の中心概念となっていることを発見した。米国の研究者との交流を通じてsocial change modelやlandscape of practiceといった新しい概念に触れることができた。social change modelは、リーダーシップが社会変革を促進するための重要なフレームワークであり、個々のリーダーがどのようにしてコミュニティや組織全体に影響を与えるかを理解する上で非常に重要な研究蓄積である。landscape of practiceの概念は、リーダーシップ教育が一部の専門家だけに占有されるものではない、さまざまな立場や視点でもって発展していくという考え方であり、今後の研究においてもインフォーマルなリーダーシップ開発の機会を考察する上での欠かせない視点である。これらの新しい視点を女性管理職の育成とどのように結びつけることができるかが、新たな研究課題として浮上する。また、大学教育学会にて国内の他の研究者とともに「女性とリーダーシップ」に関するラウンドテーブルを開催した。ディスカッションを通じて、大学におけるリーダーシップ教育の不足が、女性の管理職への忌避感につながっているとする仮説を設定するに至った。この仮説を検証するために、リーダーシップ教育がどの程度、彼女たちのキャリア形成に寄与しているかを定量的に評価する研究を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外の研究者との積極的に交流を持ったことによって視点が広がり、その結果、アイデンティティ発達からリーダーシップを捉えるなど視点が広がり、文献調査も当初予定していたよりも充実したものとなっている。その一方で所属先の変更があったため、2023年度に予定されていた調査の実施が遅れている。ただ、国際学会への参加を通じて北米の最新のリーダーシップ研究の動向を把握し、また、国内では女性のキャリアと自己実現というテーマでの書籍出版を進めていることもあって、ケア理論からのアプローチなど、研究テーマについてより深い考察を行えている。今後実施する調査も、アイデンティティ理論などの理論枠組みを反映させ、理論に立脚した構造をもつ調査票設計が可能となったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は国内の研究者と分担して、ソーシャルチェンジモデルをもとにした学生のリーダーシップについてジェンダー分析を行い、その内容を大学教育学会誌に投稿する。また、前半には女子学生の母子関係とリーダーシップ発達について、日本語と英語でそれぞれ別の学会での発表を予定している。このような学会発表で得られたフィードバックも踏まえながら、学生時代のリーダーシップ経験が現在の女性管理職の仕事への取組みや自分らしい働き方の発見や就業上のリワードの認識にどのようにつながっているのか、発展的に考察することを予定している。
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