Project/Area Number |
23K01772
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
庄司 知恵子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30549986)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 地域運営組織 / 農村RMO / 生活支援 / 農地保全 / 地域資源活用 / 中山間地域等直接支払い / 重層的支援体制整備事業 / 自主防災組織 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、縮小社会におけるコミュニティの再編について「地域運営組織」の形成を事例に検討する。具体的には、「地域運営組織」の形成を巡る、住民側の主体性の発露と行政側の支援の様子から、「市民と住民の協働」について捉える。そこから、地域運営組織を巡る行政側の論理と住民側の論理を明らかにし、双方の論理の接合点を捉える。行政・住民双方にとって実効性の伴った「地域運営組織」の姿を提示することが最終的な目標となる。更に、得られた知見をもとに、縮小社会における再編されたコミュニティを軸とした「新たな公共」の姿について提案することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、岩手県奥州市北股地区における農村RMO「星の広場」の結成に伴い、活動・会議への参加、関係各所への聞き取り調査を進めた。 農林水産省では、農山漁村振興交付金(中山間地農業推進対策)のうち農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業を令和4年度より実施してきた。令和6年1月22日現在で、形成推進事業を実施している組織は、全国で56組織となっている。奥州市北股地区では、令和5年農村RMOモデル事業に申請し、採択された。北股地区では、令和5年6月12日に農村RMO「星の広場」を、地域運営組織「北股地区振興会」を母体とし設立した。農村RMOに求められている活動は、「農地保全」「地域資源活用」「生活支援」の3点であり、星の広場では、「生活支援」については岩手県立大学との協働で進めてきた住民の生活ニーズに対する支援を目的とした「ニーズとシーズのマッチングシステム構築」において、地区センターがボランティアセンターとなり活動が展開されている。しかしながら、「農地保全」においては、個々の農家の意向の集約がなかなか進まず、また、「地域資源活用」においては、活用すべき資源の温泉施設撤退などを受け、困難を極めている。 北股地区には6つの集落が存在するが、各集落からの意見集約が課題となる。また、次世代への聞き取りを行ったが、活動の中心世代である70歳代と、次世代である4,50歳代との意見交流の薄さがみとめられた。集落ごとの意見集約、年代を超えた意見集約をもとにした目指すべき地域像についての合意形成が今後の課題となる。このような中、次世代につないでいく活動の展開も見られる。各集落の若手とされる人たちの代表者を集め、今後の地域像についての検討の場を設けられた。この点について今後の展開を捉えていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学務多忙を極めたため2023年度については、調査に行くことはできたが、データをまとめる余裕がなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
聞き取り調査から見えてきたこととして、各集落の意見の相違、現世代(70歳代)と次世代(4,50歳代)の人たちの意見の相違がみられた。 1点目の各集落の意見の相違についてであるが、人口の減少は避けられず、集落単位での共同が難しくなることは目に見えていることであり、どのようにすれば、スムーズに地域運営組織に共同作業等の移譲が成立するのか、丁寧な聞き取り作業を集落単位で行っていく予定である。 2点目として、良い意味でも悪い意味でも現世代(70歳代)が率先して活動を展開するため、4,50歳代の人たちがどのように関わればよいのかわからない状況にあることが見えてきた。次世代に人たちにとって、地区が自分たちの地区であるという認識のもとに形成にかかわっていく道筋を検討する必要がある。星の広場では、次世代を中心とした検討の場を設けた。この点の活動展開について、見ていく予定である。 2023年度は奥州市での動きを捉えることのみに終始してしまったため、2024年度は広島県東広島市久芳地区の活動(地域運営組織)、秋田県藤里町粕毛地区の活動(農村RMO)、石巻市北上町のまちづくり(地域運営組織を保留)の活動を調査し、地域運営組織における農村RMOの意味や、また、地域運営組織がない中での地域像の在り方についても検討していきたい。
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