Project/Area Number |
23K01789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 香基 北海道大学, 文学研究院, 助教 (20907563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 俊一 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80645896)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 宗教文化的資源 / 死生観 / ウェルビーイング / コーピング資源 / 混合研究法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、高齢者の老いや病をめぐる不安や孤独の諸相を把握し、宗教文化的(あるいはスピリチュアル)な現実認知・死生観が担うコーピング資源としての役割を、質問紙調査およびインタビュー調査を通して経験科学的に明らかにすることを目的とする。具体的には、次にあげる3つの課題に取り組む。 ① 高齢者のウェルビーイングの構成要素としての孤独や老病死への不安に関する指標の検討・開発 ② コーピング資源としての宗教文化的な現実認知・死生観の類型化と測定 ③ 宗教文化的な現実認知・死生観が、主観的なウェルビーイングへ及ぼす影響の検討
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2024年度に実施予定の質問紙調査(郵送調査)の準備期間として以下の研究活動を行った。 (1) 2022年度に実施した予備調査の結果をまとめ、学会で報告を行った。同調査は、年中行事をはじめとする宗教文化的実践への取り組みの度合いと、そうした諸実践が持つ「宗教的な意味」への認識を尋ねた全国調査であり、日々の生活の中で宗教文化的なものに慣れ親しんでいる人ほど、宗教とは距離を置く仕方で自らの認識を表明する傾向があることが示された。これは、日本で質問紙調査法を用いて宗教的なことがらに対する認識や態度を調査するにあたり、今後、留意されなければならない重要な知見であり、今後の調査票設計に再考を促すものとなった。 (2) 本研究の目的の一つは、高齢者の孤独、老病死への不安、宗教文化的な現実認知や死生観といった構成概念の測定尺度の開発であるが、これは、尺度開発それ自体が目的であるというよりも、それらの尺度を用いることではじめて可能となる、諸概念間の相互関連についての記述と分析をねらうものである。異なる背景を持った人々を比較するには「測定の等価性/不変性」が成り立つ測定尺度が必要となるが、それを確認するための統計的手法として、本研究ではAsparouhov & Muthen(2014)が考案したAlignment Optimizationに着目した。国立統計数理研究所の真鍋一史・前田忠彦の助力を得て、上記手法に関する方法論的なレビューと解説を共著論文のかたちでまとめた。 (3) 2024年度に実施予定の郵送調査の調査票策定に向けて、死生観研究、葬送研究、地域福祉研究の有識者にヒアリングを行うとともに、協力依頼の呼びかけ行った。研究開始当初の構想よりも広範なテーマ(調査項目)を含む横断的調査研究へ発展する可能性が示唆され、現在は上記有識者らを協力者に加えた調査体制の構築に向け調整中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、2024年度中頃には北海道内の複数自治体において、高齢者を対象とした郵送調査の実施を予定していたが、調査票策定に時間を要していることから、半年ほどスケジュールが後ろ倒しとなる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、年度内の郵送調査の実査完了を目標とし、次のような仕方で研究を進めていく。 (1) 2024年度前半は、基本的な調査仕様、および調査票の策定を目的とし、継続して月に1回程度の研究メンバーでの打ち合わせを予定している。大まかな調査票の完成は9月頃を見込んでおり、その後、任意標本による簡易なパイロット調査を行い、必要に応じて調整を行ったのち、倫理審査を経て本調査の実施とする。 (2) 上記「1」の調査票策定作業と並行するかたちで、分担者が主導となり、独居高齢者を対象としたインタビュー調査を進める。この調査は、郵送調査で尋ねる具体的な調査項目の検討、見直しを兼ねる。
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