Project/Area Number |
23K01803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷部 美佳 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (30624118)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 移民の社会統合 / インドシナ難民 / エスニック・コミュニティ / 女性運動 / 市民運動 |
Outline of Research at the Start |
日本に暮らす外国人が急増する現在、日本社会は、移民の社会統合(移民が日本社会で不自由なく暮らせる)ためにどのような役割を果たせるのかを検討する。特に、1980年代以降長らく外国人支援をけん引してきた市民の役割について中心的に考察することがこの研究の概要である。特にその焦点は、外国人支援の担い手の多くが女性だったこともあり、女性運動や労働運動、日本の女性が直面するジェンダー構造などという視点にあてる。現在の移民に対しての役割を、過去40年の外国人支援活動を振り返り、現代史的に考え直すことが本研究の概要である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドシナ難民を受け入れた当初、多くの「主婦」層がボランティアとして参加しており、その際のボランティアの女性たちが、その後ほかの移民(例えば日系人)などの支援にも関わるようになり、その蓄積が多文化共生の基礎になっていったという仮説のもとに研究を進めている。が、研究初年度の2023年度は、支援活動をしてきた日本人主婦層だった女性ちよりも、難民当事者の女性たちが自分たちのコミュニティを盛り上げる活動に多く触れる年となった。当然ここには、日本人の「主婦層」だった人達が関わっていないわけではなく、まったく分断しているわけではないものの、より「当事者」が、新しい支援者を巻き込む活動のいったんを目にすることとなった。特に2023年度は、2022年から続いているカンボジア難民の第二世代の当事者によるいくつかの活動について、参与観察と担い手に対する聞き取りを行うなどし、当事者たちが、新たに日本人の支援者や難民当事者を巻き込んでいく様子を観察できた。その研究の一端については、2023年度の第96回日本社会学会大会において、「在日カンボジア人コミュニティの変容から見る「国フェス」の意義」というタイトルで報告を行った。既存の支援活動と、当時の主婦層の包括的な位置づけ、そして当事者女性を中心にしたエスニック・コミュニティを盛り上げるような当たらな活動についての関連については、2024年度に把握・検討をして、成果をまとめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績でも述べたように、現状で「女性運動」と「多文化共生」という歴史的な関係性を把握するより先に、現在の当事者によるエスニック・コミュニティの活動の参与観察が進んでいる。もともと本研究は、参与観察とそこで出会った人々への聞き取りをベースに研究計画を立てていたため、参与観察で知り合えたキーパーソンがたまたま、往年の支援者ではなく、現在の当事者の「女性」による活動に出会うことになってしまった。当初計画について十分目標を達成しているとは言い難い研究状況となっている。そのため、「やや遅れている」としている。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べた通り、当初計画および、計画していた研究方法で出会ってきた研究のキーパーソンが、当初計画とは異なる情報や経験を持っている人となり、計画が全く異なる方法ではないものの、やや当初計画とは違う方向に向いている。ただし、今年度中のかかわりの中で、当時の歴史的事実を知っている人もおり、また参与観察や聞き取りで把握できないことに関しては、資料などから当たれることもあるので、そこで補う予定である。また、同時に、当事者の活動やエスニック・コミュティの活動は、「多文化共生」と全く異なるものではないので、今後もメインのテーマを検討しつつ、当事者の活動についての聞き取りや参与観察を含め研究を進める。また現在滞在中の英国での当事者運動についても参与観察を行い、比較検討の対象としていきたい。
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