Project/Area Number |
23K01831
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
正野 良幸 京都女子大学, 発達教育学部, 講師 (90514167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森藤 ちひろ 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (10529580)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 社会的処方 / 孤独・孤立問題 / イギリス / 孤独対策 |
Outline of Research at the Start |
人々が孤立化を深めるなか、英国では孤独担当大臣を世界で初めて任命し、日本でも担当大臣を設けている。英国では社会的処方を実践しており、その鍵は、GP(一般医)からケースを紹介されるリンクワーカーが握っている。リンクワーカーは相談者に地域事業に参画させて、孤独・孤立の解消を目指している。 本研究の目的は、英国のリンクワーカーの機能や社会的位置づけを検証し、社会的処方の福祉化の可能性を調査研究することである。日本への示唆として、医療・介護保険制度の下で、かかりつけ医の職域を拡大し、地域包括支援センターの四職種に社会的処方を担わせることを主眼において、社会的処方のプログラムを考案していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在の日本社会では、近隣住民との関わりが以前と比べて希薄の状態になっている。また、新型コロナウイルス感染拡大により、地域コミュニティにおける住民との繋がりにも影響が出た。このような背景のなか、人々の孤独・孤立に関する問題が浮上している。この問題は、若者から高齢者まで幅広い年齢層が対象となる。孤独・孤立問題にいち早く取り組みを行っているイギリスの社会的処方のアプローチについて、情報収集や文献調査を行った。 2023年度は、ノッティンガム・トレント大学のクリフォード・スティーブンソン教授とZoom(オンライン)を用いたセッションを実施した。イギリスの孤独・孤立問題や自殺防止の取り組みについて、情報収集を行った。また、ロンドン・マートン区のソーシャルワーカーであるディー・ケンプ氏が来日され、社会的処方の仕組みや取り組み状況について話を伺った。社会的処方とは孤独・孤立問題を抱える利用者・患者の課題を解決するために、薬を処方するのではなく地域の活動やサービスなどに参加し、人との繋がりを重視して処方していくシステムである。 イギリスではNHS(国民保健サービス)の制度のもと、地域医療を担当するGP(一般医)が最初に診察することになる。そこから、孤独・孤立問題等であれば、リンクワーカー(Link Worker)と呼ばれる人材が紹介され、支援が開始される。リンクワーカーは、地域活動への橋渡しをする役割であり、利用者に適切な地域の社会資源をコーディネートしていく。ボランティア活動や共通の趣味を持つ人々の集まりに参加するなどして、孤独・孤立問題を解消し、前向きな人生を送ることができるような支援をしている。 このようなイギリスの社会的処方の仕組みを理解し検討することで、今後の日本における孤独・孤立問題の解決策を見つけていくことが、今後の研究課題としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は研究開始初年度であり、基本的にはイギリスの社会的処方に関する情報収集に重点を置いていた。ノッティンガム・トレント大学のクリフォード・スティーブンソン教授と、Zoomでセッションをすることができた。また、ロンドンのソーシャルワーカーであるディー・ケンプ氏が来日された際に、マートン区における地方自治体の社会的処方の取り組みについて把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、イギリスの社会的処方の制度や仕組み、取り組み内容や実施効果を検証していく。具体的な取り組み内容や効果を検証するため、ノッティンガム・トレント大学のクリフォード・スティーブンソン教授を招聘し、日本の研究者や関係者とのセッションを開催する予定である。ノッティンガム大学で行われている孤独・孤立対策のアプローチとして、NHS(国民保健サービス)とGP(一般医)、行政や民間団体、チャリティー組織等との関係性を明らかにしていく。孤独・孤立対策としては、どの機関がリーダーシップを図るのか、各機関の連携やパートナーシップはどのようになっているのか、クリフォード教授にヒアリングを行う。また、社会的処方の実施に向けた財源の確保はどのようになっているのか、予算配分等についても検証していく。 また、イギリスの現地調査も予定しており、社会的処方の先進的地域を選別し、各機関を訪問することにしている。具体的な連携のあり方や孤独・孤立の改善事例、または改善しなかった例なども、調査内容に入れていく。実施計画の策定方法や評価基準、費用対効果なども視野に入れながら、現地調査を通じて研究を推進していく計画である。 その後、イギリスの社会的処方の仕組みを日本に取り入れる場合に、共通する点は何か、相違する部分は何かを踏まえながら、検証していく予定である。
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