Project/Area Number |
23K01851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
渡辺 弘之 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10300097)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ハンセン病 / ベトナム / 子どもたち / QOL / Vulnerability(傷つきやすさ) / Vulnerability |
Outline of Research at the Start |
申請者は、ベトナムのハンセン病治療病院からの依頼を受け、ハンセン病元患者の子どもたちのQOLについての調査を実施した。その結果、元患者の子どもたちの場合、一般群と比較して身体的健康、友人関係、QOL総得点が有意に低いという結果となった。この結果から、元患者の子どもの場合、身体的健康や自尊感情、友人関係といった面において固有の「傷つきやすさ」(Vulnerability)を有しており、QOLに影響を与えていると考えられる。本研究では、ハンセン病元患者の子どもたちの健康増進と社会的スキルの獲得、自尊感情の向上を図ることが「傷つきやすさ」からの回復につながり、エンパワーメントにつながると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
ハンセン病元患者の子ども群と一般群全体の比較を行った結果、身体的健康(t=-4.597, df=87.643, p<.001)、友だち(t=-2.791, df=103, p<.01)、QOL総得点(t=-2.791, df=103, p<.01)において、元患者の子どもたちが有意に低いという結果となった。学校種別に検定を行った結果、小学生の場合、元患者の子ども群と一般群との間には有意差がみられなかったが、身体的健康、精神的健康、自尊感情などの項目において 極端に低い外れ値がみられ、状態の良くない子どもがいることが明らかとなった。中学生の場合、身体的健康(t=-2.947, df=46, p<.05)とQOL総得点(t=-2.415, df=46, p<.01)において有意差がみられ、元患者の子どもたちの方が有意に低い結果となった。高校生の場合、身体的健康と学校生活に有意差がみられた。身体的健康は一般群の方が有意に高く(t =-2.474, df= 17.474, p<.01)、学校生活については元患者の子どもたちの方が有意に高かった(t=2.889, df=22.977, p<.01)。 今回の研究については、子どもを対象として包括的健康尺度(Kid-KINDL)を用いて実施した。しかし、社会的少数者の子どもの場合、精神的に複雑な機序を抱 えていることから、尺度の妥当性・信頼性が不十分と考えられる点もあると判断された。そのため、この研究結果を基にして、2023年度には独自包括的健康尺度の開発に着手をした。初回の調査は2023年度、2回目の調査は2024年度に実施の予定である。 また、この研究結果の概要については原著論文として公開の予定である(2024年8月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年はベトナムでの現地調査が再開できることとなり、8月に現地の病院と共同で調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
この研究では子どもたちの発達段階に応じたデータの収集を行っており、2023年度は主に小学校の児童生徒を対象としたデータ収集を行った。2024年移行は中学生、高校生へのデータ収集を行っていく予定である。
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