Project/Area Number |
23K01863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
浜井 浩一 龍谷大学, 法学部, 教授 (60373106)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 少年院 / 脱施設化 / イタリア / 児童福祉 / 少年裁判所 / 闇バイト / NHK / ダイバージョン / 少年司法 |
Outline of Research at the Start |
非行少年が更生するのは施設の中ではなく地域社会の中である。非行少年の健全育成におけるスティグマの回避と脱施設化は国際的な潮流となっている。本研究では、日本の伝統的な非行少年の収容施設である少年院や児童自立支援施設における処遇、特に社会内でのアフターケアに焦点を当てた調査研究を実施し、閉鎖型収容施設での処遇の限界と課題を明らかにする。その上て、児童福祉との連携によって脱施設化を進めているイタリアやノルウェー等の欧州の取組みを調査研究することで、日本における脱施設化の可能性について国際的な視点から検討を加える。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本の少年院は、閉鎖型収容施設を基本として、外部からの影響を排除した上で、教官と生徒との信頼関係を基盤に育て直しを行ってきた。しかし、少年院の生活は、高度に構造化されていることから、出院後の社会環境の急激に変化に対応することができないなど社会内処遇移行後の自律(立)した生活への移行が大きな課題となっていた。これに対して、イタリアなど欧州では、脱施設化を進め、閉鎖施設を廃止し、児童福祉と連携しつつ地域社会内に小規模のグループホームを導入することで地域社会の中での更生に取組んできている。本研究では、日本における少年院等閉鎖型収容施設処遇の課題を明らかにしつつ、欧州の脱施設化に向けた実践に関する研究を通して、日本における脱施設化や司法と児童福祉との連携のあり方について検討する。 令和5年度は、令和5年3月にイタリア司法省少年局、少年福祉事務所、少年刑務所等を訪問して行ったインタビュー調査の結果を論文としてまとめ『季刊刑事弁護』に投稿した。8月には、愛光女子学園・青葉女子学園の二つの少年院を訪問し、青葉女子学園に関する調査報告書を『矯正講座』に投稿した。また、それらの成果である日伊少年司法比較研究を9月にフィレンツェで開催されたヨーロッパ犯罪学会において報告した。さらに、8月にはNHKと共同で全国の少年院在院少年を対象に闇バイト経験と少年院処遇に関する質問紙調査を実施し、その結果の概要をNHKニュース7等で公表するとともに、論文として執筆し、『季刊刑事弁護』に投稿した。 令和6年3月にイタリア共和国サレルノ未成年(者)裁判所長のDott.Piero Avallone判事を招いて日伊少年司法シンポジウム「イタリア未成年(少年)裁判所から日本の少年司法について考える」を龍谷大学矯正・保護総合センターにおいてハイブリッド形式で開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に実施したイタリアにおける少年司法機関を対象とした訪問調査の結果を論文としてまとめ、日伊少年司法比較研究の成果をヨーロッパ犯罪学会で報告するともに、イタリアから少年(未成年)裁判所長を招聘し、日伊シンポジウムを開催することができた。また、事前に計画していなかった全国の少年院在院少年を対象した闇バイト経験や少年院での処遇等に関する質問紙調査をNHKとの共同研究として実施することができ、計画以上の成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度にNHKと共同で実施した少年院在院少年に対する闇バイトや少年院処遇等に関する質問紙調査、特に自由記述回答の分析を進めつつ、少年たちの闇バイトに対する意識や少年院での処遇効果について検討する。また、闇バイト等の動向が少年非行の動向や少年院の収容に与える影響についても併せて検討したい。さらに、その成果を国際学会等での報告することを検討したい。 日本国内における少年院や児童自立支援施設等を訪問し、施設を出た後のケア、特に関係機関との連携や発達障害等を持つ少年たちの円滑な社会復帰に向けた対策、施設内の構造化された環境の改善等に向けた施策についても調査を行う。 国際調査については、令和6年3月に実施した日伊シンポジウムにおいて招聘したAvallone判事の協力を得つつ研究協力者とともにイタリア少年司法機関に対する訪問調査を実施するとともに、ノルウェーの関係機関と連携してノルウェーでの非行少年処遇についても訪問調査を検討したい。
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