Project/Area Number |
23K01874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
江連 崇 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (20725022)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 宗教社会福祉 / 専門化 / 脱宗教 / 社会福祉学 / 吉田久一 / 更生保護 / 宗教 / 社会福祉 / ソーシャルワーク / 教誨 |
Outline of Research at the Start |
近年、社会福祉実践における宗教的ケアの意義についての議論が活発になってきている。本研究が対象とする更生保護分野は日本の社会福祉実践の中で特に宗教との関わりを継続的に持ち、宗教的ケアの代表的な分野と言える。しかし、更生保護分野における宗教的ケアについての研究は宗教学や社会学、法学などが多く、社会福祉学としての研究は少ない。 そのため、本研究では、更生保護に関わる施設・機関・組織等における宗教的ケア実践の実態を質的調査により把握し、それら実践とソーシャルワークとの関係性について明らかにすることを目的としている。本研究の成果は更生保護実践をはじめ社会福祉学の進展に寄与すると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は「戦後日本社会福祉学において宗教がどのように語られたのか」を課題として、①1960年代の社会福祉学者の著作を中心とした資料収集、②学会発表、③次年度調査準備を行った。 ①については、主に国立国会図書館や地方公立図書館で60年代から70年代に刊行された社会福祉関係資料の調査を行った。特に吉田久一や岡村重夫、嶋田啓一郎といった戦後日本社会福祉学を代表する人物の宗教に関する論考などについての資料を収集した。 ②については、①で収集した資料を分析し、日本仏教社会福祉学会第57回学術大会(同朋大学)において「戦後社会福祉学における『宗教』の位置付け-『専門化』の過程で『宗教』はどのように語られたのか」と題する口頭発表と、第2回「社会福祉学研究のための多様な分野からの学び」研究会(明治学院大学)において「『社会福祉学』と宗教の歩み」と題する口頭発表を行った。この2つの発表に共通する点としては60年代から70年代における戦後社会福祉学の「専門化」の過程において、社会福祉の「専門性」を高めるための脱宗教的議論と「専門化」に伴う「技術主義」への対抗としての宗教的社会福祉の議論が同時に存在していたことを明らかにした。発表後にはフロアからの重要なアドバイスや質問があり、次年度以降の調査研究への貴重な機会となった。 ③2024年度はインタビュー調査を実施するため、①・②で得られた知見を活かしインタビュー対象者の選定、質問内容の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は更生保護実践における「福祉と宗教」の関係性を明らかにすることだが、2023年度はその土台となる社会福祉学における「福祉と宗教」についての議論を明らかにすることができた。それにより次年度の調査準備も順調に進んだと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は①戦後社会福祉学と宗教の関係性についての論文執筆、②更生保護施設関係者・教誨師へのインタビュー、③学会発表を中心に進めていきたい。 ①については、前年度に発表した2つの口頭発表を発展させて、戦後社会福祉学史の中で宗教がどのように捉えられてきたのかについて論文を執筆し、関係学会の学術雑誌に投稿をする予定である。 ②については、これまでの歴史研究を踏まえた上で、今日の更生保護関係実践の中で宗教がどのように位置付けられているのか、関係者へのインタビューを行う予定である。 ③については②の調査を関係学会で発表したいと考えている。
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