Project/Area Number |
23K01928
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
小野寺 良二 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40460331)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 車いす / ハンドリム / 力覚センサ / 慣性センサ / 操作力 / 無拘束モニタリング |
Outline of Research at the Start |
我が国の高齢社会による「老老介護」は深刻な問題となっている.その解決のためには介護側の負担軽減は必須であるが,本課題では,要介護者の自立に着目し,比較的需要が高い福祉機器である自走式手動車いすの操作メカニズムを解明する.その解明をするにあたり,車いす利用者の通常操作を実現するために,完全無拘束状態での計測用車いすおよび計測手法を構築する.研究機関内での検証に加え,介護施設等の協力を得て実際の利用者に対しても検証を行い,車いす操作の特徴を洗い出し,負担軽減につながる操作方法ならびに車いすの形状および各種パーツの提案に繋げ,要介護者の自立の視点からの「老老介護」の解決の一助とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
深刻な社会問題となっている「老老介護」の解決の一助とするため,福祉機器の中でも比較的需要が高い自走式手動車いすの利用者(乗車者)のハンドリム操作による車いす駆動時の操作メカニズムを解明する.その解明をするにあたり,車いす利用者の通常操作を実現する完全無拘束状態の計測用車いす構築し,計測手法を提案する. ハンドリム部の力とトルクの操作力は,車軸上に設置した有線接続の力覚センサ情報と簡易モーションキャプチャからの把持部の位置情報から算出していたが,有線接続かつモーションキャプチャの特性上,駆動範囲に制限があり繰り返し動作への対応ができず通常操作の様子を十分に把握することが困難であった.そのため,車いすに設置するセンサ類をすべて無線化し,各種センサ情報を融合することでハンドリム把持部に変換し操作力を得る手法とした.操作力導出の理論展開の過程で,必要となる情報は力覚情報,車いすの車輪の回転角度が必要であることがわかった.そのため,力覚情報は車軸上に設置する6軸力覚センサより取得し,車輪の回転情報は同じく車軸上に設置する慣性センサより取得した角速度より算出したものを使用し,それらを融合させることでハンドリム把持部の情報に変換する導出アルゴリズムを確立し実機にて簡易検証を行った.なお,次年度の課題となっている使用センサの同期についてはハンドリム駆動時の操作区間内の終点部に慣性センサを1台追加し,操作開始時は力覚センサの立ち上がりから判断し,操作終了は追加した慣性センサ接触時の加速度の立ち上がりから簡易的に同期し把持状態を把握した.これにより,車軸上で得られた力覚情報をハンドリム操作部の操作力として取得できることを確認した. また,車いすからの立ち上がり易さを体圧分布センサより分析し,立ち上がり補助機構についても検討し新たな支援機構の設計および試作を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り進んでいる.具体的には,車いす駆動時の力覚センサと慣性センサからの情報を融合することでハンドリム把持部の操作力の取得が可能であることを理論的に確認した.一方で,慣性センサから得られる角速度情報より車いす駆動時の車輪回転角度を算出するが,ドリフトが生じ正確な駆動状態を得ることができず,その算出方法に検討に多少時間を要した.しかしながら,ドリフトの原因となる低周波成分をフィルタリングで除去することで,駆動時の車輪回転角度を取得し,操作力算出時にも影響がでないことを実機で簡易的に検証できている.また,これまで有線接続であった力覚センサを無線化し,通常操作の繰り返し動作に対応できる計測用の車いすを構築したこと,車いすからの立ち上がりを分析し,起立着座の支援機構についても試作まで行えている.
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Strategy for Future Research Activity |
5年度中に操作力計測用システムを実機搭載し簡易検証を行なえているので,当初の予定通り6年度は車いす利用者(乗車者)の通常操作での操作力の取得および解析を行っていく.特に繰り返し動作について着目し,その過程での駆動方法の変化等についても検証していく.現在は使用する各種センサの同期が手動によるオフライン処理であるため,同期方法について検討していく.当初はハンドリム把持部への変換で光電センサも使用することを予定していたが,実測を行う過程で必要に応じて導入を検討し,乗車者が違和感なく操作できる状態や環境についても引き続き検討していく.また,車いすからの起立着座支援装置についても車いす操作との連動を重視し試乗評価を進めていく.順調に進んだ場合は,7年度予定の簡易トレッドミルの製作にも着手し,トレッドミル上での操作力計測等を実施していく.
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