Project/Area Number |
23K01961
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯野 由香利 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40212477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏子 滋賀大学, 教育学系, 教授 (00324559)
飯野 秋成 新潟工科大学, 工学部, 教授 (80272706)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 防災教育 / 心理的バイアス / プラスチック / 海洋汚染 / VR(バーチャルリアリティ) / バリアフリー / 建築設計 / サスティナブル / 住教育 / 行動変容 / デジタル教材 / 問題解決型授業 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「持続可能な社会の構築」の視点から現行の小中高等学校家庭科住生活の学習内容を見直して教示事項を整理する。さらに、課題解決型協働学習において住生活の課題発見が児童生徒にとって困難であることを踏まえ、課題を自分事として捉えることを補佐するデジタル教材を開発し、持続可能な社会づくりで必要な能力・態度を育成するための学習方法を検討する。 これらの知見を踏まえて、小中高等学校別に住生活授業を実践して評価・省察・改善を行い、家庭での行動変容や持続可能な住まい方(サスティナブルリビング)を総括した資料を作成し、デジタル教材の有効な活用方法を提示して、住教育体制を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究①:M市立A中学校1年生2クラスの生徒72人を対象に2023年12月7日にクラス毎に50分間の防災に関する授業を行った。発災時の6場面の各場面をテレビ画面に投影して中央に四角の穴が開いた黒紙を覗き、クロスロードクイズに対する回答をして自身の行動について考えてもらった。さらに、発災時に起こりがちな心理的なバイアスの説明をし、五感を使った情報収集や共助及び率先避難者の必要性についても教授した。その結果、心理的バイアスの知識の習得、積極的な避難、発災前での家族との話し合い、及び共助や地域の力となる認識などの行動や意識の変容が認められた。また、黒紙の活用による没入感を確認した。 研究②: 2023年11月9日に大学生41人を対象に、プラスチック容器包装やペットボトルのライフサイクルに伴う二酸化炭素の発生量や廃棄に伴う海洋汚染問題の深刻化について講義を行い、講義の1週間前と直後及び3か月後にアンケート調査を行った。その結果、これらのごみの減量の必要性を認識し、行動変容は処分・廃棄時(分別等)>選択・購入時(マイバック・ボトルの持参等)>使用時(再使用や転用等)の順であった。 研究③:小中高校生は車椅子に乗る経験が少なく、小中学校では車椅子がなく、校舎内の移動に対応した整備なされているとは言い難い。高齢者や障碍者が車椅子で建物内外を移動する際にどんな障害があるのかについて対話をしながら学習することを目的に、VR技術を応用し、数台の車椅子を複数人が同時に操作しながらバーチャル空間内を自由に移動でき、なおかつ相互の会話も可能とするシステムのプロトタイプを開発した。開発したシステムを大学2年生12名に使用してもらい、バリアフリー住宅内外において車いす利用者の視点からのアクセシビリティや実用性を評価してもらった。実施後のアンケート結果からは、車いすの操作性やシステムの安定性への指摘もなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究①:防災教育に関する研究成果を報告書にまとめ中学校に提出した。2024年の日本家庭科教育学会の大会で発表するために原稿を投稿した。 研究②:大学生を対象とした持続可能な社会に向けたカーボンニュートラルや海洋汚染問題の解決のための知識習得による行動変容の可能性を確認できた。 研究③:現在、日本工学教育協会の論文誌投稿に向けて執筆作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究①:中学校の家庭科で高齢者が生活する住宅で安全に住まうための住環境整備について学ぶ授業を行う予定である。高齢者の疑似体験の代替として、何人かの生徒にVRを装着してもらうことやVRの画像をテレビ画面に投影してクラス全体で見て、車椅子に乗った高齢者にとっての生活上の危険性や困難さについて協議してもらう。この授業を通して、住環境整備の必要性を認識し、高齢者や障碍者に対して配慮や工夫できる点について協議し安全対策を考案できる力を養成する。 研究②:低炭素社会や循環型社会に向けて、小学生が自身の住生活での行動や意識を変容する必要性を認識できる授業実践を予定している。 研究③:解決すべき課題を列挙する。VR空間内の車いすの操作性に関するスロープや段差での動作が想定通りとならない問題に対して、モーターやベルトの位置調整、プログラム数値の最適化、あるいはバーチャル空間内に設置したスロープの角度調整等を行う。VR酔いに対しては、操作時の揺れや移動速度のパラメーターを個々の被験者の状況に合わせて調整するための手順を検討する。入室時のアバターの動きの不安定については、プログラムモジュールを中心により効率的なロジックを追求する。 研究④:令和4年の内閣府「防災に関する世論調査」によると、大地震に備えて、家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している割合は35.9%である。固定ができていない理由は、やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているが最も多い。中学校技術・家庭 家庭分野には、自然災害に備えた住空間の整え方の学習がある。この学習において、どのような教材を用い、どのような授業をすると行動変容のステージがあがるのか、教育学部の学生を対象として実験的に明らかにすることを目的とする。仮説としては、多様な感覚刺激を提供する教材を用いて思考させる問題発見・課題解決型の学習が行動変容を促す。
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