Project/Area Number |
23K01971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 太二 鎌倉女子大学, 家政学部, 教授 (60343109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親泊 政一 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (90502534)
廣田 耕志 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00342840)
長谷川 輝美 鎌倉女子大学, 家政学部, 准教授 (70775155)
菅原 沙恵子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 助教 (70827469)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 唾液exRNA計測 / 動脈硬化リスク / 新規非侵襲評価法 / POCT / フードモデル / PFC比 / 試験食開発 / 糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
動脈硬化リスクを高める2型糖尿病や高LDL-コレステロール(Cho)血症の進行度を非侵襲かつ迅速に早期診断できれば、動脈硬化予防に向けた先制医療に直結する。 一方フードモデルは近年、ICタグ内蔵で食事と栄養価をより視覚的かつ統合的に結びつけ、栄養指導や健康づくり支援に効果をあげている。 申請者らは、インスリン抵抗性と高LDL-Cho血症が血中分泌型マイクロ(mi)RNA発現も介して動脈硬化リスクを高めることを見いだした。そこで本研究では、非侵襲で採取できる唾液中のmiRNAを含む種々の細胞外(ex)RNAによる動脈硬化リスクの新規非侵襲評価法を確立し、これとフードモデルを融合させた食提案を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化リスクを高める2型糖尿病や高LDL-コレステロール(Cho)血症の進行度を非侵襲かつ迅速に早期診断できれば、動脈硬化予防に向けた先制医療に直結する。一方フードモデルはICタグ内蔵で食事と栄養価を視覚的かつ統合的に結びつけ、栄養指導や健康づくり支援に効果をあげている。 しかしながら、動脈硬化のリスク評価と連動したフードモデルシステムは存在しない。 申請者らは、インスリン抵抗性と高LDL-Cho血症が血中分泌型マイクロ(mi)RNA発現も介して動脈硬化リスクを高めることを見いだした。さらに最近、miRNAばかりか血中や唾液中の種々の細胞外(ex)RNAを癌の診断と予後予測に応用する研究も進んでいる。 唾液exRNAによる動脈硬化リスクの新規非侵襲評価法を確立し、これとフードモデルを融合させた食提案を行うことを目的として、2023年度は次の2項目を並行して研究を行った。 (1)糖尿病や高LDL-Cho血症に特異的な唾液exRNAの網羅的同定のために、糖尿病と高LDL-Cho血症の評価は血液生化学検査で行い動脈硬化の進行度評価はCAVI検査で行うこととした。インフォームドコンセントを得た40歳から60歳未満の男性被験者で、健常者3名、糖尿病(合併症なし)3名、糖尿病(高LDL-Cho血症あり)3名、糖尿病(高LDL-Cho血症かつCAVI > 9.0)3名、それぞれ被験者を設定することとした。これにより、糖尿病特異的、高LDL-Cho血症特異的、動脈硬化特異的な唾液exRNAの網羅的探索が可能となる。唾液低分子RNAの抽出及びmiRNAマイクロアレイは東レ社製3D-Geneを用いることとした。 (2)栄養成分応答性唾液exRNAを同定するために、糖質、脂質やタンパク質量を特異的に増量しその他の成分は同等になるよう調整したPFC比の異なる朝・昼・夕の献立セットを3パターン開発している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では期間全体で次の(1)~(3)の3項目で研究を行う計画である。 (1)糖尿病や高LDL-Cho血症に特異的な唾液exRNAの網羅的同定及び標的遺伝子予測等による機能推定 (2)唾液exRNAと臨床現場即時検査(POCT)を用いた動脈硬化リスクの非侵襲評価条件の確立 (3)唾液exRNAデータとフードモデルとの融合及び動脈硬化予防に効果的なオーダーメイドの食展開 このうち(1)については高LDL-Cho血症のみ、あるいは高LDL-Cho血症と動脈硬化のみを有する症例は極めて少なく、被験者の選抜に苦慮した。そのため、糖尿病を罹患している被験者について、合併症なし、高LDL-Cho血症のみ併発、あるいは高LDL-Cho血症と動脈硬化併発、のそれぞれの被験者の唾液を用いることとした。これにより唾液exRNAの探索にあたって包含関係の解析を行うことで、糖尿病、高LDL-Cho血症、動脈硬化、それぞれに特異的なものを同定することが可能となった。現在被験者の選抜を行っている。(2)については、唾液exRNAを抽出後、増幅させ、蛍光イムノクロマト法で検出するプロトコールを検討している。exRNAの増幅方法については、Nucleic Acid Sequenced Based Amplification (NASBA)法を中心に検討している。(3)については、栄養成分応答性唾液exRNAの同定に向けて、糖質、脂質、タンパク質等、特定の栄養素のみを多く含む試験食の開発を優先させて進めている。これまでは、特定の食品成分を急性的に摂取した場合についての研究が大多数であり、1日3食の献立でPFC比が異なるものを継続摂取した場合のバイオマーカーの慢性的な変化についての研究は少ない。そこで1日3食の献立から成る試験食を3種類開発を行っており、これをもとに各栄養素応答性唾液exRNAの同定を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では期間全体で次の(1)~(3)の3項目で研究を行う。各項目について今後の研究の推進方策は以下のように計画している。 (1)糖尿病や高LDL-Cho血症に特異的な唾液exRNAの網羅的同定及び標的遺伝子予測等による機能推定・・・被験者から唾液を採取しRNAを抽出して、miRNAマイクロアレイの受託解析と次世代シーケンサーを用いたexRNA発現の受託解析を行い、糖尿病と高LDL-Cho血症それぞれに特異的な唾液exRNAを同定する。miRNAについては、Targetscan及びmiRDBによりそれぞれの標的遺伝子予測を行う。 (2)唾液exRNAと臨床現場即時検査(POCT)を用いた動脈硬化リスクの非侵襲評価条件の確立・・・(1)で同定したexRNA全ての発現量を計測し、動脈硬化リスクを簡便・迅速に評価するNASBA法と蛍光イムノクロマト法の基礎条件を確立する。 (3)唾液exRNAデータとフードモデルとの融合及び動脈硬化予防に効果的なオーダーメイドの食展開・・・(a)被験者数を増やし、生活習慣病の現病歴・既往歴、性別、年齢、食事内容、一日当たりの食事回数と摂取カロリー、咀嚼回数等の指標で被験者を分類し、唾液exRNAを精製する。(1)で同定したexRNA群について定量的RT-PCRを行い疾患特異性を検証する。 (b)2023年度から開発している種々の試験食を用いて(a)の被験者及び健常者を対象に、抽出した唾液exRNAのうち摂取前後で発現変化がみられる栄養成分応答性exRNAを定量的RT-PCRで探索する。(c)(2)で確立したPOCTで得られるリスク診断用exRNAデータを食育SATシステムに組み込み、被験者に最適な食事と献立を提案できるシステムを開発する。この際、試験食の摂取を行い、唾液exRNAの発現変化をモニターして献立がexRNA発現に及ぼす効果を詳細に検証する。
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