Project/Area Number |
23K01978
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
神津 博幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (40763660)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 3Dプリント食品 / 胃消化 / 胃ぜん動運動 / 力学特性 |
Outline of Research at the Start |
ヒトの胃ではぜん動運動と呼ばれる胃壁のしごき運動により、食品が微細化され、胃液と混合されることで消化が進行する。この時、食品の力学特性(硬さ、破断応力/歪率、等)が胃消化の速度に影響を与えると考えられる。 そこで本研究では、3Dフードプリンタを用いて力学特性を制御した3Dプリント食品を作製し、胃ぜん動運動を模擬した消化評価装置「ヒト胃消化シミュレーター」を用いて、3Dプリント食品の胃消化挙動を解析することを目的とした。 3Dプリント食品の力学特性を制御することで、胃消化の速度を制御することができれば、例えば高齢者に向けた消化されやすい食品設計のための基礎的知見になると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3Dフードプリンタを用いて力学特性を制御した3Dプリント食品を作製し、胃ぜん動運動を模擬した消化評価装置「ヒト胃消化シミュレーター」を用いて、3Dプリント食品の胃消化挙動を解析することである。 1年度目においては、ゲル化剤濃度の異なる複数種の植物由来3Dプリント食品を作製し、ヒト胃消化シミュレーターを用いて胃消化挙動を評価した。具体的には、寒天をゲル化剤とし、じゃがいもフレークに寒天ゾルを加えたペーストをフードインクとした。シリンジ式3Dフードプリンタを用いて印刷・ゲル化させた3Dプリント食品を作製し、ヒト胃消化シミュレーターを用いて消化試験を行った。また、鋳型を用いて3Dプリント食品と同形状の成形物を作製し、同様に胃消化挙動を評価した。 3Dプリント食品は、寒天濃度によらず重量及びサイズのばらつきがある程度小さく、安定的に作製できることが示された。また、寒天濃度に依存して、力学特性の異なる3Dプリント食品を作製できた。胃消化試験を行ったところ、寒天濃度によらず開始約15分以内に速やかに3Dプリント食品が微細化されることがわかった。また、同一寒天濃度において、3Dプリント食品と鋳型を用いた同形状の成形物との間に、顕著な胃消化挙動の違いは見られなかった。以上のことから、ヒト胃消化シミュレーターを用いて、3Dプリント食品の胃消化挙動に関する最初の知見を得ることができた。 また、2年度目以降実施予定である、複数種の食品素材を複合させた3Dプリント食品の胃消化挙動の解析に向けた基礎的知見として、2種類の植物由来食材(きな粉及びキャベツ粉)を複合させた3Dプリント食品の力学特性を解析した研究結果をまとめ、学術論文として公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年度目の当初計画では、3Dフードプリンタを用いて作製した食品と、鋳型にペーストを充填して作製した食品について、ヒト胃消化シミュレーター消化試験の結果を比較することとしていた。実際の進捗としては、計画した内容を含む実験を遂行したと共に、成果の学会発表を行った。従って、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年度目以降の研究は、当初の研究計画をベースに実施する予定である。具体的には、力学特性の異なる複数種の食品素材を複合させた3Dプリント食品を作製し、ヒト胃消化シミュレーターを用いて胃消化挙動を評価する予定である。一方、1年度目の研究を実施してきた中で、予備的に力学特性の異なる3Dプリント食品を作製したが、実施した実験条件においては胃消化挙動に顕著な差が見られなかった。このため、胃消化挙動の差が見えやすい実験条件の検討を併せて行う予定である。
|