Project/Area Number |
23K01997
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
澤渡 千枝 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70196319)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 微生物セルロース / 柔軟性 / 生活素材 / 衣生活 / SDGs / 循環型社会 / 物性改良 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,生活者の立場から素材研究をおこなう.非木材のバイオマス資源である微生物セルロース素材(BC)に改良を加えて,しなやかさや肌触りの良さを備えた生活素材の創出を目指す.試料として異なる微生物を用いて,複数のBCを生合成する.培養条件の検討のほか,軽度な化学修飾,複合化や乾燥条件の制御を検討し,乾燥時にも柔軟性を保つ等の,実用に向けた素材の要求性能を付与する. 本研究によって創出される素材で,自然循環できない合成繊維やプラスチックを代替していくことにより,海洋汚染対策などの地球環境への負荷軽減,衣類をはじめとする生活素材の肌への負担軽減,快適で安全な衣生活・生活環境に寄与する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,SDGsに掲げられた17目標のうち,「No. 14 海の豊かさを守ろう」や,「No. 15 陸の豊かさを守ろう」および「No. 12 つくる責任 つかう責任」関して,生活者の立場からの素材研究によりQOL (Quality of Life) およびQOE (Quality of Environment) の向上に寄与するため,非木材のバイオマス資源である微生物セルロース素材(BC)に改良を加えて,しなやかさや肌触りの良さを備えた新規生活素材の創出を目指している.自然循環できない合成繊維やプラスチックを,本研究によって創出される素材で代替していくことで,海洋汚染対策などの地球環境への負荷軽減,衣類をはじめとする生活素材の肌への負担軽減など,快適で安全な衣生活・生活環境に寄与することが目的である. 方法として純粋な酢酸菌,または酵素との混合物からBCを生合成し,培養条件の検討のほか,軽度な化学修飾,オイル等の低分子との複合化や他の高分子物質との複合化,乾燥条件の制御によって目的の性能付与を検討するものであり2023 年度は3年計画の初年度である.試料の微生物(いわゆる酢酸菌)は,Glugonoacetobacter hansenii; ATCC53582:NQ5を標準資料として使用し,一方で,低コストで容易に入手可能なKombcha 菌(Acetobacter Xylinumと酵素の複合物)を用いて,4種の茶飲料,3種の糖を組み合わせた培地でBCの生産性を比較し,緑茶と氷砂糖の混合培地で,最も高いBCの生産量が得られた.さらに得られたBCペリクルに含まれている水分を食用オイルに置換してから乾燥させることで,BCシートに柔軟性を与えることができたが,これについてはさらに検討中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定した,国際学会( International Cellulose Conference )での学会発表については計画通りの成果を2件発表したほか,若手発表会(高分子研究発表会および日本家政学会関西支部研究発表会)においても,研究報告をおこなった.いずれも,発表者は指導院生が行い,日本家政学会関西支部研究発表会での口頭発表は若手最優秀賞を授与されたことから,研究内容だけでなく,研究者育成に関しても寄与できたと自認している. 一方で,学術雑誌への論文投稿が遅れており,この点は2024年度に見送ることになった.
|
Strategy for Future Research Activity |
低コスト化の面では,Kombcha 菌の利用もメリットではあるが,培養条件と乾燥条件による構造制御の効果や,それによってもたらされる物性変化の評価にあたっては,当初の計画通り,ATCC53582:NQ5を標準試料として継続使用する.2年目は,初年度で得られた物性改良の効果をより好ましいものにするため,培養条件の検討によって得られたBCペリクルの構造と基本物性を確認した後,得られるBCを基材として,まずは柔軟性を持つシート状素材の調製をさらに検討する.同時に 加工・乾燥過程におけるBCフィブリルの凝集状態の制御性を検討し,得られた創成物の構造と物性との関係を計測/解析する.
|