Project/Area Number |
23K02054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
辻村 貴洋 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10546790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 岳司 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20581721)
横井 敏郎 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (40250401)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 教育行政 / 教職員人事 / 教職員研修 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の教職員のウェルビーイングを確保する上での制度上の諸問題の検証を行い、現行システムの具体的課題を抽出しながら、学校や市町村の枠を越えた範囲での、教職員の力量形成・質保障・人材確保を持続可能にする人事システムについて考察しようとするものである。 日本の特徴である教職員の人事異動に着目し、異動区域を単位とする教育事務所レベルにおいて、多様な教育実践課題に直面しながら、教職員の確保と質保障が困難な状況にいかにして向き合おうとしているのかを、事例検証を通じて明らかにすることが本研究の目的である。このとき、教育行政職員を中心とした教職員相互の学習に着目する点が特色である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本型学校教育システムの特徴である教職員の人事異動に着目し、異動区域を単位とする教育事務所レベルにおいて、多様な教育実践課題に直面しながら、教職員の確保と質保障が困難な状況にいかにして向き合おうとしているのかを、事例検証を通じて明らかにすることである。 これまで実施してきていた新潟県下越教育事務所での指導主事学習会にて、2023年度においては、代表者からの話題提供のほか、聖篭町の指導主事からの実践報告などを行い、参加者間相互による指導主事の悩みや課題の抽出や、教育事務所の役割や今後について検討した。その過程において、教育事務所単位を「チーム」としていくための構想と可能性が模索され、後日、聖篭町教育委員会を訪問し、教育長および指導主事へのヒアリング調査の実施、さらに、下越教育事務所を再訪し、所長および課長へのヒアリングを実施した。 これらを通して、役場内の人員配置の工夫による教育委員会スタッフの増員や、指導主事の「思い」をかたちにできるサポートを進める事務局体制の整備、新潟県全体の事業であると教科教育専門監との連携など、次の具体的な調査課題を浮かび上がらせてきた。また、北海道湧別町の調査からは、町内の学校への人員配置について、標準法通りの定数それ自体が、学校現場の教育水準維持を保障できていない実態が明らかになってきている。また、他のプロジェクトによる訪問調査(ろりぽっぷ小学校:仙台市、浦戸小中学校:塩釜市)で得られた知見について、本研究の視点から捉えなおし、活用できる見込みである。 少ない人員配置や予算額の範囲内にて、いかに工夫していくかに目を奪われがちではあるが、決められた枠組み自体を問い直すための検討材料を集め、引き続き、教職員の力量形成・教育の質保証・人材確保を可能にするシステムを追究していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、教育事務所での指導主事学習会を実施し、そこから、市町村レベルへの訪問調査を通した課題の抽出や、次の調査デザインへ向けた検討を行ってきている。当初の計画では初年度のうちに、複数のフィールドへの訪問調査を予定していたが、この点については、若干の遅れが生じている。ただし、他のプロジェクトなどの成果を一部活用することで、十分に補える状態といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、第一に、ここまでの情報の整理と分析を通じた、教職員人事に関する行財政システムについての課題点の抽出を引き続き行っていく。第二に、教育長や指導主事も含めた、教職員相互の学習・指導・助言について国内外の研究動向を整理しながら、前年度の訪問調査結果と照合しながら、必要に応じて理論の修正を行っていく。具体的には、指導主事学習会の実施地区を拡大させしながら、新潟県の佐渡市・阿賀町または粟島浦村、北海道の札幌市・奥尻町・湧別町にて、実践の実践者への訪問調査を兼ねた研究交流を進める。 これらの進捗状況をみながら、年度の終盤では中間報告的な段階での成果公表への試みも含めて、最終年度へ向けた研究課題の検討を行っていく。
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