Analysis of problem structure and development of evaluation indexes in wind band and chorus club activities
Project/Area Number |
23K02076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
清水 稔 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40826880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 匡彦 弘前大学, 教育学部, 教授 (30333701)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 部活動 / 哲学 / 教育 / 自主性 / ウェルビーイング |
Outline of Research at the Start |
文部科学省が示す部活動を地域移行する方針に沿って,文化部はその実施に向けて進展している。しかし,コンクールに向けた吹奏楽部や合唱部の過度な練習,教育的視点を備えていない外部指導者の介入などの問題に対して,音楽部活動の意義そのものから問い直す必要がある。 そこで本研究では,現在の音楽部活動の指導者及び部員らへのインタビュー調査を基に,哲学の知見から本質的な問題を明らかにする。また,地域移行をいち早く進めたアメリカ,オーストラリアを調査し,その理念・活動内容・運営方法等を解明する。 本研究は,哲学によって問題の構造を把握し,地域移行後の望ましい活動モデルと,そのための評価指針を提案するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、部活動の地域移行が進む中、吹奏楽部や合唱部の過度な練習や成果主義が解決されないままの実施とならないように、部活動の意義から問い直す研究である。そのために、指導者や部員へのインタビューを通して現状を分析するとともに、地域で課外活動を実施している海外の社会団体及び社会教育の状況を調査することで、問題の構造と、その解決策を探ることを目的としている。 今年度は、吹奏楽と合唱の部活動指導者、および一般団体の指導者にアンケートとインタビューを実施し、部活動に対する考え方や、地域移行に対する当事者の意識と現状を明らかにした。また、部員へのアンケートを通して、生徒の側から部活動への意識と、社会教育への移行に対する考えも調査した。 それらの調査結果をもとに、認識論、存在論的な視点から分析したところ、問題の構造的な要因が明らかになった。具体的には、指導者も部員も、自らの欲望を事象に対する意味から生起させる形で、意図的にも非意図的にも行為を選択していることを前提として、それが、社会的に構築された構造に巻き込まれる形で、問題を生じているということである。そこから指導者自らが主体的に、より善い形へと判断できるようになるためには、その構造を理解した上で、俯瞰的に反省、もしくは、先の事象を予期することが有効であることが導かれた。 現在、指導者が「コンクール」をはじめ、指導者を取り巻く保護者や部員からの評価という場によって、自らの存在意義を部活動の成果に代理する形で、過熱化が生起している。その中で、本研究のアプローチは、外側からではない、指導者という内側からの主体的な改革を促すものとして企図された。研究の成果から、本研究が、今後の部活動の社会移行が、形式的なものにならないことを回避する重要な研究であることが、改めて明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書で予定していた指導者や部員へのインタビュー、アンケートの実施を行い、学会で発表することで、その成果を検証することができた。一方、国内の先行事例の部分は、指導者へのインタビューは実施できたものの、現地調査等は、まだ未調査であるため今年度の計画に入れたい。 進捗状況としては、予定通りに、初年度、哲学の知見から、部活動の過熱化を生起している問題の構造を明らかにすることができた。その明らかになった構造から、指導者の自己を反省し、行動目標を立てる際の視点を作成できたことは研究の初年度として適切な成果であったと言える。そして、研究で得た成果は、海外、及び国内の学会で発表している。そこでは、結果についての賛同と関連した情報を得ており、そこから、今後の見通しも持つことができている。 国内では、現在、中学校の吹奏楽部の指導者および、社会人団体の指導者と共同で、国内の動向についての調査を進めるべくオンラインでの情報交換をしている。また、海外の視察に向けて、子どもの幸福度が高いオランダの吹奏楽団に在席していた方から、オランダの吹奏楽事情と教育の仕組みについて話を伺いながら、具体的な訪問の計画を立てているところである。共同研究者の方でも、海外に既に構築されている人的ネットワークをもとに訪問先を、調整している。 それら初年度の成果と情報をもとに、部活動の地域移行の方向性が仮定的に見えてきているところである。それに基づいて理想的な社会移行の形としてモデルとするべき海外の事例も見えてきている。また、その実態を実際の現地から捉えるべく、今年度の実地調査における計画を立案しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の二年目となる今年度は、既存の人的ネットワークと、初年度に構築された人的ネットワークを活かしながら、実地調査を行う予定である。同時に、それらの実地調査を通して、さらにネットワークを広げ、今後につなげていく形で、研究を進める予定である。 国内の調査は、地方と首都圏を比較する形で、部活動と社会移行の状況を調査することで、初年度に構築した理論を参照しながら、それぞれの課題を明らかにする予定である。また、今後のモデルとなりそうな海外の事例を実際に現地調査することを通して、今後の日本での指針を得る予定である。調査の候補としてオランダが上がっており、現地在住の音楽関係者と連絡を取りながら、夏に訪問する予定である。他にも、共同研究者と共同、もしくは分担する形で、シンガポール、台湾等のアジア圏への調査も予定している。それら海外視察で得た情報と、国内の調査結果を比較検討する形で、考察した結果を、10月の日本音楽教育学会で発表する予定である。 研究の3年目には、成果をまとめて公表していく予定であるため、2年目である今年度は、情報収集に重きをおいた研究活動をしたい。また問題解決のための人的ネットワークの構築も、それ自体が研究成果の一つとなるようにしていきたい。この研究ネットワークは、3年間として計画した本研究の以後も、部活動をより善い形にしていくための人材ネットワークとして機能していくものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)