Project/Area Number |
23K02078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福田 学 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10598931)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 生物学 / 現象学 / 人間研究 / 科学と哲学 / 人間 / 教育 |
Outline of Research at the Start |
1)遺伝学、2)環境に関する新たな科学的理解を示しているエピジェネティクス、3)発達科学・生物学・教育学を横断したピアジェ、について、それぞれの最新研究に即して考察する。これらの考察を元に、4)知覚・認識能力の反省的考察から科学の基礎付けに貢献してきた現象学の諸成果を、生物学の解釈研究に適用・応用することで現象学的生物学を構想し、教育・人間研究と生物学とを本質的かつ生産的に対話・交流させていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
「現代生物学から教育・人間研究にとって有意な諸知見を現象学を研究方法論として引き出す」、という本研究の目的を達成するために、生物学のいずれの領域に定位すべきかを明確化しえたことが本年度の成果である。研究開始直後は、計画調書作成時に研究対象とみなしていた遺伝学とエピジェネティクスについて、教育・人間研究に関わる論点を確認していった。その作業がある程度進むにつれて、それらの専門的議論を教育・人間研究につなぐ「バイパス」を、別の生物学領域に求める必要性が浮上した。この必要性は、本研究が研究方法論とする現象学と生物学との通底性をどこに求めるか、という課題と関係する。そこで、生物学の研究をいったん打ち切って、現象学の主要な諸論点をこの課題と関係させて考察した。その結果、現象学的他者論、とりわけサルトル他者論が、生物学、特に、発生や進化の議論と密接に関係しうることが明らかになった。ただし、サルトル自身は人間研究から生物学を締め出している。そのため、サルトル他者論を生物学と現象学の接点と確かに位置づけるためには、生物学研究を経たうえでそれについて再考察する必要がある。そこでこの(再)考察は次年度以降の課題と設定したうえで、現象学から生物学の研究に戻り、発生学と進化学(論)をその初歩から考察していった。この考察はいまだ途上であるため、それらのいかなる論点が教育・人間研究と深く関連しうるかはいまだ不明確である。見通しとしては、「ボディプラン」の議論が一つの重要な手がかりになりそうである。この見通しの明確化のためには、ダーウィン以降の進化論の発展史にも踏み込む必要がある。研究開始以前には想定していなかった以上のような課題が、本年度の研究により明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記したように、当初想定していた領域とは異なる生物学領域の精査が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記したように、研究目的を達成するためには、当初の想定とは異なる生物学領域も含めて研究を進める必要がある。それに応じて、研究成果を得るための時間も想定よりかかることになるが、このことは研究の射程を広げることにもつながるため、残された時間を念頭に置きながら、生物学、現象学について慎重に考察していく。
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