Project/Area Number |
23K02083
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山城 千秋 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10346744)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
農中 至 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (50631892)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 米軍占領期 / 青年団運動 / 奄美・沖縄 / 移動/移民 / 復帰運動 / 機関誌 / 奄美・沖縄の青年団 / 芸能・文化活動 / 教宣活動 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本とは異なる占領体制に置かれた奄美・沖縄固有の青年団運動を特に移住/移動/移民、そして米軍基地との関係から明らかにすることにある。本研究では、奄美・沖縄の占領期独自の青年団運動を各島々、市町村、単位青年団段階まで可能な限り注目し、米軍占領下の青年団運動が有した重層性や差異を考察しながら、奄美・沖縄の青年団運動の固有性を検証する。その際、占領期の奄美・沖縄の青年団(連合青年団・市町村青年団・単位青年団)がなにを問題と捉え、どのような運動を展開し、そこにいかなる葛藤や矛盾を抱えながら、対立や連帯などの関係を模索、構築しようとしたのかという点についても可能な限り明らかにしていく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後から1972年までの米軍占領期における奄美・沖縄の青年団と復帰運動の固有性を検証することを目的とする。本年度は、2017年度から継続して調査研究してきた奄美・沖縄の青年団機関誌の復刻版の刊行に向けた最終作業と沖縄・徳之島での資料調査、学会発表をおこなった。 『占領期奄美・沖縄の青年団資料集』(不二出版、2024刊行予定)は、2017年から占領期の青年団機関誌を収集し、調査分析したもので、『新青年』、『奄美青年』(奄美大島連合青年団)、『沖縄青年』(沖縄青年連合会)、『青年隊だより』(沖縄産業開発青年協会)の復刻を目的としている。調査の結果、未発の資料を多く掲載することができ、占領期奄美・沖縄の青年団の教宣伝活動の実像に迫る内容を有する。本資料集の対象とならなかったが、字・市町村青年団の機関誌も同時に収集してきた。特に読谷村教育委員会が所蔵する座喜味青年会の『風車』は、新たに発見されたものも含め13冊が現存しており、1960年代の復帰運動当時の青年会活動が確認できる貴重な資料である。本資料集は次年度には刊行予定であり、占領史・青年団史研究に資するものと考えている。 資料調査では、前述の資料の収集・確認のために、沖縄での継続した調査と徳之島の天城町立図書館での郷土史調査を実施した。沖縄では、沖縄文献のコレクターである故・上原実氏の貴重な書籍・資料等の寄贈を受けた。また、沖縄県青年会館が所蔵する青年団資料の整理と内容分析にも着手した。今後、占領期における貴重な資料をどのように収集し、整理し、保管するかが課題である。 学会発表は、沖縄社会学会(奄美市)にて機関誌にみる青年団運動の展開について発表をおこなった。奄美の日本復帰70年の節目に、奄美の人々の復帰への思いを郷土史家や関係者から直接助言を得た。引き続き、奄美・沖縄の島々から占領期の青年団運動の実像を描き出すことに注力したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『青年団資料集』へ掲載する資料調査と資料の確定、刊行の目処が立ったことから、つぎに着手すべき字・市町村青年団の機関誌及び青年団運動の研究へと進むことができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、日本本土とは異なる占領体制に置かれた奄美・沖縄固有の青年団運動を特に移動/移民、米軍基地との関係から検討する。今後の解明すべき研究は、島々の青年団運動の固有性の究明と、移動する青年たちの生活と復帰運動との関わりについてである。前者は、まだ調査が不十分な島々の占領史および復帰運動に関する調査である。刊行予定の『青年団資料集』では、触れることのできなかった字・市町村青年団の機関誌の調査・収集と分析もおこなう。今年度の調査で確認した読谷村座喜味青年会の『風車』を手がかりに、関係者への聞き取りや内容分析にも取り組み、米軍基地と隣り合わせで生活していた青年たちの文芸・論評から青年団運動の固有性を析出したい。 後者は、南米の産業開発青年隊の継続調査と新たな八重山での開拓移民の調査である。コロナ禍で中断した移民青年隊への聞き取りをブラジル、アルゼンチン、ボリビアで再開する。また、ブラジルの邦字新聞の複写が国立国会図書館に所蔵されており、1960年代の奄美・沖縄に関する報道を検索する。国内については、沖縄産業開発青年隊が八重山に設置した青年隊調査が課題として残されている。西表青年訓練センターが西表島の古見に青年隊支所として設置され(設置年月不明)、第3期まで19人の青年が訓練を修了した。八重山開拓において、青年隊がどのような役割を果たしたのか、青年隊の資料のほか、開拓移民の資料にも依拠しながら、石垣・西表島の青年団の記録を調査する。 最後に、沖縄の復帰運動に関して、日本青年団協議会の存在と協力は強大であった。日青協の研修会に占領下の沖縄から青年たちが参加し、研修レポートを残していることがわかっている。沖縄の青年が日青協において、何を青年問題と考え、何を議論したのか、レポートの調査と奄美青年の参加の有無についても確認する。また、日青館が所蔵する沖縄関連資料の調査も合わせておこなう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)