Project/Area Number |
23K02097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
渡部 容子 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (10259559)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 子育て・教育 / 自治体総合施策 / 連携接続 / 産後ケア事業 / 地域共同システム / 漸進的無償化 / 子育て教育 / 横の連携 / 縦の一貫性 / 漸進的教育無償化 |
Outline of Research at the Start |
子育て教育は、地域において共同的に行われる営みであり、国・自治体の各種サービスと民間の取組みが往還しつつ有機的・協働的に展開することが不可欠である。本研究では、これまでの都道府県・政令指定都市・中核市等を対象とした教育費支援の広報に関する規模別概要把握・水平的比較研究を発展させ、国-都道府県-圏域・郡-市区町村を重層的に把握する手法を加味し、子育て教育の地域共同システムを立体的・構造的に捉える。 保健・医療・福祉・教育・労働等といった行政管轄を越えたヨコの連携と産前産後・乳幼児期から成人期までのライフステージをまたぐタテの一貫性を備えた自治体総合施策の創出を考究し展望する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度の令和5(2023)年度は、JSPS科研費「子育て・教育の地域共同システムの在り方と漸進的無償化に係る自治体総合施策の研究」(19K02465/2019-22年度、2023年度延長)の成果をもとに、子育て教育支援で特徴的な鳥取県と滋賀県をとりあげ「産後ケア事業」の現状と課題を明らかにした。 過疎県である鳥取県では、国のモデル事業が始まった2014年に一早くニーズ調査を行うなど率先した取り組みが見られ、全19市町村が「産後ケア事業」を実施している。しかしながら、医療機関や助産所などが存在しない自治体もあり、圏域において、短期入所型サービスの融通等がみられた。県は、県下の「産後ケア事業」を一覧表にしてガイドブックに毎年掲載し、県民へ情報発信と市町村間の情報共有に資している。また、特筆すべきは、2020年から、「産後ケア事業」利用者の自己負担分の助成を県が行い、同時に、助産所への助成も2022年度予算から始まった 滋賀県は、総人口に占める15歳未満の割合が高く全国2位であり、全19市町が「産後ケア事業」を実施している。なかでも草津市は、切れ目ない支援を強く意識して草津市版ネウボラを示し、利用家庭の情報は子育て相談センターに集約し、全戸対象の生後4か月までの「すこやか訪問①(保健師・助産師訪問)」と7か月頃の「すこやか訪問②(保育士訪問)」での支援に繋げている。草津市では、臨床心理士・公認心理師が常勤職員としてキーパーソンになっていることも特徴的である。しかしながら、「産後ケア事業」の1歳までの延長は実現しておらず、今後の課題である。 以上の研究と並行して、「京都府及び府下26市町村における教育費支援情報に係る広報のあり方」についても研究を進めた。各ホームページからの情報収集に加え、歴彩館(旧京都府資料館)での資料探索、府庁・京都府教育委員会での聞き取り等も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JSPS科研費「子育て・教育の地域共同システムの在り方と漸進的無償化に係る自治体総合施策の研究」(19K02465/2019-22年度、2023年度延長)の成果を踏まえ、特徴的な 鳥取県及び県下19市町村、滋賀県及び県下19市町の「産後ケア事業」の2023年度までの現状を明らかにすることが出来た。また、次のケーススタディを計画している京都府と府下26市町村についても教育費支援の状況を把握することができた。成果は、論文3件と全国学会発表2件で公表し、リポジトリでオープンアクセスが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年4月こども家庭庁が発足し、同年6月に「産後ケア事業」は「こども未来戦略方針」に位置付けられ、対象者を要介入支援層から一気にユニバーサル化するという方針に国は転換した。一つ目には、この大きな方向転換が、これまでの市町村を実施主体とした事業の延長線上に位置づくのか、私費化や民間企業の参入を促進するものなのか等々、全国レベルでの動向を注視したい。 二つ目には、2023年度の京都府調査をもとに、京都府下における「産後ケア事業」の現状と課題を明らかにし、日本教育学会第83回大会(2024.8.29@名古屋大学)で発表し、名古屋女子大学紀要第71号に投稿予定である。 三つ目には、全国動向が鳥取県の「産後ケア事業」無償化の施策や助産所の実践にどのように影響を与えるのかについて、現地調査を行いたい。また、草津市については、「産後ケア事業」の1歳までの延長問題(質と量の関係)への影響を注視したい。
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