Project/Area Number |
23K02100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高妻 紳二郎 福岡大学, 人文学部, 教授 (20205339)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アカデミー / マルチアカデミートラスト / OFSTED / 教育行政 / 教育指導助言行政 / 指導主事 / inspector |
Outline of Research at the Start |
本研究では英国調査フィールドの対象としてバーミンガム市を取り上げ、細分化が進む今日の制度動向のなかで、「確かなデータ」に基づき教育行政主導で市内全ての児童生徒へのサポートを提供するバーミンガム教育パートナーシップ(BEP:Birmingham Education Partnership)の事例を参照する。 「データ・エビデンスを活用した教育指導助言行政」の効果的展開に資するための条件について、日本調査では指導主事との協同及び学校訪問を通して明らかにする。そして英国調査では教育指導助言行政プロセスと進行に応じて惹起する課題解決方策事例を詳らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今日のイギリスにはさまざまな種類の学校があり、公営学校と私立学校に大別される。本研究が対象とした前者は国庫から支出される助成金によって賄われ、就学前教育、初等教育、中等教育の3つの教育段階にはイギリスの児童生徒の97%が在籍している。この公営学校も細分化されるが、本研究ではアカデミー(Academies)を主たる検討素材とした。個別のアカデミーは学校間連携としてマルチアカデミートラスト(MAT)の傘下に入り、教育水準局(the Office for Standards in Education, Children's Services and Skills:Ofsted)の評価結果に沿いつつ学校改善を組織的・連合的に取り組んでいる。当初はOfstedによる評価で不十分とされた学校を改善するために導入された経緯があるが、今日では優れ た評価を受けた学校でさえアカデミーに転換することを選択するケースが多くみられた。 ただ、個別アカデミー事情の相違が大きいため一般化された知見として定位できないが、例えばMATの財政研修に校長が出席し、それを学校に持ち帰ってMAT教員のサポートを受けつつ校内研修を進めていく事例もみられ、学校間連携にあたって非公式な関係性(informal relationship)が重視されていることが明らかになった。また、教員の仕事とウエルビーイングのバランスをとることが喫緊の課題となっていることが日英共通の課題であることが浮き彫りとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2024年3月にイギリスリヴァプール市での2校の学校調査(Holly Lodge Girls College、Faith Primary Academy)を実施することができた。そしてイギリス中等学校校長会(The Association of School and College Leaders :ASCL)年次大会参加及び学校関係者へのヒアリングを実施した。学校評価機関からの査察結果に基づいて地方当局との連携の実態の一部を明らかにすることができた。また、各種エビデンスに基づいて校長が上層機関会議に参加して財政的なサポートを手配し、協調しながらの学校運営事例を収集できた。2日間にわたるASCLでは教育省や学校経営・財政担当者等のキーノートや分科会報告に参加し、データ解析や報告書作成に生成AIを活用していること等のイギリス教育経営の最前線の情報を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続きは渡英調査及び学会参加・交流を継続し、指導助言行政の効果的展開に資するデータ・エビデンスの活用の実態を明らかにしていく。また、これまで学校管理職と関係性を構築しているイギリスおよび国内の学校のウェブサイト上に公開されているドキュメント分析を継続するとともに、諸課題の整理分析に取り組む。 2024年夏にグラスゴーシティ開催されるBELMAS(英国教育経営・リーダーシップ学会)に参加し、研究者との情報交換及び学校管理職経験の会員に実情に係る情報提供を依頼する。
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