Project/Area Number |
23K02116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
走井 洋一 東京家政大学, 家政学部, 教授 (30347843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 研道 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00364323)
大貫 麻美 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (40531166)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 道徳科 / 人間学 / コミュニティ・オーガナイジング / 自己 / 道徳教育 / 当事者性 |
Outline of Research at the Start |
自立的で自律して思考し,判断する主体としての自己がその認知の拡大とともに道徳的内容を獲得し,行為できるようになる「自己拡大モデル」という考え方に基づく道徳教育,道徳科を刷新し,当事者の自己利益から共通利益を見出すことを通じて社会的課題の解決に実際に用いられてきたコミュニティ開発等の手法と思想をも参照して,道徳教育,道徳科で実践可能な提案を行うことを目指す。その際,授業方法の提案にとどまらず,考え方を含めた教員研修のためのパッケージの提供も行うことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,2017年告示学習指導要領が前提とする「自己拡大モデル」の妥当性を人間学的立場に基づき,諸科学の知見やCD等の実践事例等に依拠して批判的に検討するとともに,当事者性に基づく新たな自己像,社会像を基とした道徳教育及び道徳科の授業実践を提案・検証し,それらを教員研修用のパッケージとして提供することを目指すものである。2023年度には,①社会的合意形成の実践事例についての調査,②「自己拡大モデル」の道徳教育,道徳科の検証を行った。 ①について,イギリス・ロンドンでの,West Silvertown Village Community Foundation(WSVCF),CitezensUKの調査を行った。特に,WSVCFでは,コミュニティ開発の手法として,コミュニティへの介入方法の詳細を聞き取ることができた。コミュニティのなかで,門番(gatekeeper),すなわち,コミュニティの他の人と話すことを許可してくれる役割をもった人たち,噂好きな人(gossip),すなわち,自分がやろうとしていることを広めてくれる人,コミュニティのニーズを知っている世話人(carer),ニーズを満たすためのリソースを提供する手助けをするつなぎ役(connector),といったリーダーを見出し,働きかけていくことが重要であることが明らかになった。 ②では,特に道徳が教科化されるプロセスでの諸審議会での議事録のテキスト分析を行い,後に,「自我関与」としてまとめられる内容について検討されていたことがうかがえるが,①道徳的価値に対する「自我関与」,②教材が示す具体的状況に対する「自我関与」,③社会的な課題に対する「自我関与」が検討されていた。しかしながら,これらが十分に整理され,自覚的に検討されたわけではないため,結局,教科化にあたって「自己」の問題を十分に検討したとはいえない状態にあったことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は研究初年度であったが,当初の予定どおり,調査を行うことができ,また,道徳科の課題についても明らかにすることができた。ただ,2023年度は円高と物価高で海外調査で旅費の大半が消費されたため,次年度は調査の計画等を見直すことも含めて研究を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度については,①社会的合意形成の実践事例についての調査,を継続するとともに,道徳科については,②実践可能な授業の検討を行うことにしている。特に,②については,すでに複数名の現職教員に協力を得て,6月に実施される道徳教育学会においてラウンドテーブルを実施し,その内容を検討することとしている。2024年度については,調査の計画を見直し,国内の実践事例を調査することを視野に入れて実施していきたい。
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