Project/Area Number |
23K02136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 司 山口大学, 教育学部, 教授 (30263651)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 非通学型学校 / チャータースクール / コミュニティ・インパクト / 規制強化 |
Outline of Research at the Start |
この10年米国では非通学型学校が急増したが、その多くはチャータースクール(以下、CS)によって提供されている。かつてCSに対する行政上の指導・監督は緩やかであったが近年は規制が強化され、非通学を含む学習実態の把握、CSの設置が他校に及ぼすインパクト調査も求められるようになっている。本研究はこの規制強化を巡るCSと行政の相互の応答行為を詳らかにし、その結果を元に、通信制高校に大量の生徒が学び非通学が現象化している我が国の学校教育に改善策を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、米国のチャータースクールによる「非通学型」学校が提起している問題点と行政の対応施策を分析・考察することにより、非通学が浸透しつつある我が国の教育に対し、活用可能な行政・制度上の施策を提言することを目的とするものである。本年度は主として、コミュニティ・インパクトを公的データから予見、証明するために用いられている方法・プロセスを分析した。具体的には、カリフォルニア州内の学区教育委員会が作成するチャータースクール設置認可および管理に関する資料、具体的な設置申請書等を分析し、コミュニティ・インパクトが設置申請書にいかに記述され、またそれに対して学区教育委員会事務局がどのような所見を述べているのかを分析・考察した。 例えば、2020年度以降に設置申請されたチャータースクールのうち、北部カリフォルニア州のある非営利団体が設置したものについて調べたところ、チャータースクール側と学区側との間には、「コミュニティ」概念に違いがあることを明らかにした。学区側は、学区全体をコミュニティと捉え、チャータースクールの設置によって、学区全体が不利益を被ると述べ設置を拒もうとしたが、チャータースクール側は、限定的なエリアを自校が影響を及ぼし得るコミュニティとし、そこでこれまで提供されていない教育プログラムを提供することは教育上意味あるものと考えていた。 また、このチャータースクールは小中学校段階の児童生徒を対象とする学校として開校したが、申請は、あえてハイスクール学区に対して行っていた。申請対象学区=オーソライザーを巧みに選択することで、申請時に求められるコミュニティ・インパクト調査を選択的に回避しているとみることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、コミュニティ・インパクトを公的データから予見、証明するために用いられている方法・プロセスを分析することを具体的な研究課題とし、順調に調査を進めることができた。 具体的には、ある非営利団体が設置申請し設置に成功したチャータースクールと、同団体が設置に失敗したチャータースクールについて焦点をあて、それぞれについて、設置申請書、教育委員会会議の動画、会議録、申請書に対する所見等の各種資料を用いて分析・考察を行い、その結果について学会発表した。また、カリフォルニア州内のあるチャータースクールを現地訪問し、校長等から関連する情報を入手することも行った。 入手した各種情報を分析・考察した結果を学会において発表する点に関しては、学会発表および雑誌論文掲載がいずれも年度後半となってしまったが、本研究課題への取り組み自体はおおむね順調に進展していると判断し、上記区分を選んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、とりわけ次年度である令和6年度は、当初の計画通り次のことを推進していく。まず、認可責任を強く求められるなかで、規制強化の基本方針を定める必要がある学区は、断片化しがちな(非通学型学校における)「学習」を、いかなる手法で総合化(実像化、実体化)し認可判断しているのかを、現地調査を交えて明らかにしていく。加えて、非通学型学校としてのチャータースクールの側にも、同様のこと=総合化が求められるわけだが、はたしてチャータースクールはいかにして、それを行おうとしているかについても調査を継続する。以上の調査研究を行った結果にもとづき、学会での口頭発表、雑誌論文への投稿については、当初の計画以上に積極的に行っていく。
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